ペトロブラス=サンパウロ州沖に今年最大級の油田=推定埋蔵量は290億バレル

石油公社ペトロブラス(PB)は9日、サンパウロ州沖のサントス盆地南部に位置するアラン鉱区のプレソルト(岩塩層下油田)層内で、今年最大級の油田を確認したと発表した。探査井で高品質かつ無汚染の原油を確認しており、国家原油庁(ANP)は埋蔵量を約290億バレルと推定。採算を考慮した実際の採取可能量は最大で30%、約87億バレルに上る可能性があると同日付オ・グローボ紙など(1)(2)(3)(4)が報じた。
この油井「3―BRSA―1396D―SPS―は、サンパウロ州沿岸部サントス市から沖に248キロ離れた水深1952メートルに位置する。PBは当該探査井の掘削をすでに完了、「石油を含む層は電気検層記録、ガスの兆候、流体サンプリングにより確認された」と説明した。
この発見について、業界関係者は「二酸化炭素を含まず、大量の石油を有する重要な発見」と評価しており、A&M Infra社のシニアディレクター、リヴァルド・モレイラ・ネット氏は、今発見によりPBは鉱区の開発コストを抑えつつ、より高品質かつ高付加価値の石油を得ることが可能になると指摘。「サントス盆地南部は業界内で大きな期待を集めている。アラン鉱区近隣には、ノルウェーのエクイノール社が開発を進めるバカリャウ油田があり、日量40万バレルの生産が見込まれている。この一帯は今後10年間におけるブラジルの石油生産拡大の中核として注目されている」と述べた。
今回確認された新油層は、PBにとりアラン鉱区における2件目の成果となる。同社の探鉱計画では27年末までに計4本の井戸を掘削する予定だ。同鉱区は20年3月、ANPの第6回入札において、シェアリング制度(石油やガスの生産から得られる利益を政府と企業が分け合う契約制度)に基づく契約のもとで取得されたものであり、当時の契約では50億5千万レアルのサインボーナス(鉱区の開発権を取得するために支払う一時金)が支払われている。ネット氏は「この額はすでに同地域の価値を物語っている。サンパウロ州に近接しているため、新たなインフラ整備が可能であることも特筆すべき点だ」と強調した。
マギダ・シャンブリアールPB総裁は「我々は、新たな埋蔵量を追求するために積極的な投資を行っており、その成果が着実に現れている。今年に入ってからブラヴァ油田やブジオス油田でも発見を発表している」と説明した。
地質学者のペドロ・ザラン氏によれば、アラン鉱区にはブラジル最大の油田が存在する可能性があり、現時点でプレソルト層の最大産油地である、ブジオスおよびトゥピを超える規模に達することも考えられるという。同氏は「PBがアラン鉱区で発表している複数の発見は、実際には一つの超巨大油田を示唆している可能性がある」と指摘した。