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ルーラ訪中=中国企業270億レ投資約束=自動車、食品、資源、半導体も=ロシアに続いて関係強化へ

2025年5月13日

中国でのルーラ氏(Ricardo Stuckert/PR)
中国でのルーラ氏(Ricardo Stuckert/PR)

 ルーラ大統領12日からの中国訪問で、早速270億レアルの投資という大きな成果を得た。この中国訪問は、ルーラ氏は大統領全任期で4回目、第3期の2年余りだけで3回目という緊密さだ。今回の主要な目的は、中国と中南米・カリブ諸国共同体(CELAC)のフォーラム参加、もう一つが中国との商業交渉の締結だった。その成果が訪問初日に現れたと同日付G1サイト(1)が報じている。
 主な投資の内訳は以下の通り。まず60億レアルが中国の自動車大手・長城汽車(GWM)のブラジルでの事業拡大。フード・デリバリー「美談(メイトゥアン)」は50億レアルを投資して同社の配達アプリ「キータ(Keeta)」をブラジル展開することを希望し、それにより4千人の直接雇用、10万人の間接雇用の創出を目指す。
 中国国営原子力エネルギー会社CGNは30億レアルを融資して、ピアウイに再生可能エネルギー拠点(風力と太陽光)を建設するという。
 エンビジョン社からは最大50億レアルを調達し、「ネットゼロ」(炭素排出量がゼロ)の工業団地を建設する。アペックスによると、これはラテンアメリカ初だという。
 デザートのタピオカ・ドリンクとソフトクリーム大手の蜜雪冰城(ミーシュー、Mixue)は32億レアルを投資してブラジル進出し、2030年までに2万5千人の雇用創出すると明言している。
 中国の非鉄金属産業の主要企業BNMCは24億レアルでアラゴアス州のセロテ銅鉱山の買収を発表した。
 その他、滴滴出行(99タクシーの親会社)、龍勢(中国の半導体企業)、製薬業界の企業からの投資計画も含まれている。
 この発表の席でルーラ氏は「過去10年で中国はブラジルへの直接投資ランキングで14位から5位に躍進した」「私の最初の大統領任期(2003〜06年)のブラジルは胡錦濤国家主席の時代に中国を市場経済だと認めた最初の国の一つだった」「中国はしばしば世界貿易の敵であるかのように扱われてきた。だが、過去30年で中国は多くの国々から忘れ去られた国々とビジネスを行おうとしている国の一つに過ぎない」と語り、投資成立の喜びと、中国との貿易の重要性を強調した。
 さらに「私たちは農産物を輸出し、ブラジルに流れてくる資金を教育に投資しなければならない。そうすれば電気自動車やバッテリー、AI生産において中国と競争できるようにもなる」と、大統領は投資の先のことについても言及した。
 今回の中国とのこの交渉の背景には、米国トランプ大統領による高関税課税への対策がある。ルーラ氏は9日にモスクワで行われたロシアのピーチン大統領との会談でもこの件に関して公言し、ロシアとの結びつきを強化することを明言した。
 今回の訪中でルーラ大統領は11人の閣僚とダヴィ・アルコルンブレ上院議長、さらに約200人の企業関係者を引き連れている。
 大統領は13日には習近平国家主席との会談も予定されている。


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