Ipea=バイク事故死が12・5%増=貧困州の利用拡大が背景に

応用経済研究所(Ipea)が12日に発表した「アトラス・ダ・ヴィオレンシア(暴力地図)」調査報告によると、2023年に国内で発生したバイク事故による死亡率は前年比12・5%増で、交通死亡事故全体の約4割を占めるまでに拡大した。この背景には、北部や北東部の貧困層を中心としたバイク利用の増加があると同日付アジェンシア・ブラジル(1)が報じた。
報告書によると、23年に国内で発生した交通死亡事故は3万4900件に上り、前年の3万3900件から増加。うちバイクの死亡事故は1万3500件で、前年の1万2千件から増加した。
Ipeaのカルロス・エンリケ・カルヴァーリョ研究員は、バイク事故増加は、車両の保有台数および使用頻度の上昇と密接に関連し、「特に北部と北東部の貧困州において顕著に見られる。これは、バイクの価格が手頃で維持費も低いためだ」と分析する。
州別のバイク死亡事故の割合はピアウイ州で69・4%、セアラ州で59・5%、アラゴアス州58・4%、セルジッペ州57・8%といずれも北東部で高い。
バイク死亡事故は13年以降増加の一途をたどり、特にモトボーイやモトタクシーといった、商業輸送にバイクが用いられる事例の拡大に懸念が示されている。サンパウロ市などでは、このようなサービスの合法化を巡って議論が続いており、公共交通機関としてのバイク利用が引き起こすリスクへの懸念が高まっている。
カルヴァーリョ氏は「バイクは極めて安全性に乏しい車両であり、事故時の死亡リスクが高い。商業輸送手段としての使用には大きな疑問がある」と警鐘を鳴らしている。