Fiocruz=呼吸器感染症増加に注意=13州で警戒レベルに

オズワルド・クルス財団(Fiocruz)が8日に発表した報告書によると、国内で重症急性呼吸器症候群(SARS、ポ語ではSRAG)が急増中で、インフルエンザ入院患者が増加している。特に北部および中南部の各州で発生率が高く、一部の州や自治体では公衆衛生上の緊急事態が宣言される事態に至っている。9日付オエステ誌など(1)(2)(3)が報じた。
4月27日〜5月3日のデータを基に作成された同報告書では、SARSは若年層から成人、高齢者に至る幅広い年齢層に影響を及ぼす一方で、2歳以下の乳幼児では、RSウイルス(RSV)に関連するSARS症例が多くの地域で高水準で推移している。
ただし、RSVによるSARSの増加傾向には、一部地域で鈍化の兆しもある。とりわけ、2月末に流行が始まった中西部地域ではその傾向が顕著で、南東部、北部、北東部の各地域でも安定化の動きが見られる。セアラ州においては例外的に、引き続き増加傾向が続いている。
Fiocruzの研究者タチアナ・ポルテラ氏は、「一部地域では感染拡大が鈍化しているように見えるが、いずれの地域においても発生率はまだ高い水準にある」として引き続き警戒が必要と警告している。
同報告書はさらに、高齢者におけるSRAGによる死亡原因としては今もCovid(新型コロナ感染症)が最多であり、次いでA型インフルエンザウイルスと指摘。
現在、SARS流行が注意喚起〜高リスクの「警戒レベル」に達しているのは13州にのぼり、アマパ州、バイア州、セアラ州、マット・グロッソ・ド・スル州、ミナス・ジェライス州、パラナ州、パラ州、リオ・グランデ・ド・スル州、リオ州、ロンドニア州、サンタカタリーナ州、サンパウロ州、トカンチンス州が含まれる。
ポルテラ氏は、感染増が続く中で、予防措置の重要性を強調。「保健所などの密閉された混雑空間ではマスクを着用し、インフルエンザ様の症状がある場合には隔離を行うこと、予防接種の対象となる者にはインフルエンザA型ワクチンの接種を強く推奨する」と述べた。