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モッタ下院議長=ネット集中攻撃の標的に=大統領支持者の批判暴走=ルーラ「約束破った」で

2025年7月10日

モッタ議長を皮肉ったAI動画(Reproducao)
モッタ議長を皮肉ったAI動画(Reproducao)

 金融取引税(IOF)増税却下に対してルーラ大統領が強い不満を示したことで、大統領の支持者たちが反応。ウゴ・モッタ下院議長(共和者・RP)がネット上で攻撃対象となる被害を受け、連邦政府関係者も困惑している。2日付フォーリャ紙(1)が報じている。

 モッタ議長は2日、第13回リスボン法フォーラムに参加するため、訪れていたポルトガルで、ルーラ大統領とハダジ財相がIOF増税の大統領令に関して結んだ約束を破ったとしてモッタ氏を非難していること(2)に関して、「そのような約束はしていない」と改めて強調。この日起きた、ネット上での同氏に対する批判への不満を口にした。
 とりわけそれは、ルーラ大統領が2日にTVバイアでのインタビューで行った、「モッタ氏宅で6月8日の日曜深夜にハダジ氏や経済スタッフらが同席して行った合意が火曜日(6月25日)に破られた。ありえないことだ」との発言で増幅された。
 2日午後、SNSプラットフォーム「X」上に、ルーラ氏支持者によるモッタ議長を攻撃する投稿が次々と上がった。それは批判的なハッシュタグを大量に上げるやり方で、#CongressoDaMamata(エゴイストの議会)、Hugo Nem-se-Importa(ウゴは気になどしない)、#CongressoInimigodoPovo(議会は人民の敵)、#HugoMottaTraidor(ウゴ・モッタ裏切り者)などが上がった。
 モッタ議長は同日午後、伯国で最も言及された人物となり、その数は380万件にも及んだ。
 とりわけ拡散されていたのはAI動画で、その一つでは、モッタ氏に見立てられた人物が大企業との豪華ディナーで乾杯の音頭を取り、自らワインやウィスキーを一気飲みする姿が描かれていた。(3)
 連邦政府の政局調整担当のグレイシ・ホフマン大統領府渉外室長官はこのような動きに不快感を示し、モッタ議長を擁護した。
 グレイシ氏は「議論や意見の相違は民主主義の一部だ。だが、ウゴ・モッタ下院議長をネット上で集中的に個人攻撃することは正当化できない。私は断固非難する」「こうした攻撃では解決策は生まれない。制度や国民を尊重することは政治においても人生においても不可欠だ」と訴えた。(4)
 また、下院の連邦政府リーダーのジョゼ・ギマリャンエス下議(労働者党・PT)も、既にこうした動きがあることを6月30日に元下院議長のアルトゥール・リラ下議(進歩党・PP)から聞いていたとし、「IOFでの敗退を個人攻撃の理由にすることはできない」との見解を示している。
 リスボンには法フォーラムに参加する最高裁判事らも既に到着しているが、彼らは連邦政府の関係者に対し、モッタ下院議長との対話を再開するように促しているという。
 リスボン法フォーラムには、連邦政府を代表して最高裁にIOF増税却下への異議申し立てを行った連邦総弁護庁(AGU)のジョルジュ・メシアス長官も来ている。
 ルーラ大統領支持者たちの不満は3日も引き続いて噴き出している。この日は聖市の金融街ファリア・リマのイタウ銀行に抗議者が乱入。高所得者層への高額課税を求め、デモを行っている。(5)


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