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50%関税=ZFMへの影響は限定的=税制優遇で投資誘致に追い風

2025年8月2日

給油所(Marcelo Casal Jr./Agencia Brasil)
マナウス自由貿易地区(ZFM)内の工業団地(PIM)(Foto: Divulgação)

トランプ米大統領が7月30日に署名した大統領令により6日から発効となる50%関税がブラジル経済、特に、国内生産の中核地であるアマゾナス州のマナウス経済特区(自由貿易地区、ZFM)に与える影響について懸念が広がっていた。だが、同地域の生産業界関係者らは影響は限定的との見解を示している。対米輸出は総輸出の1%未満で、国内市場が中心であるため、関税の影響は極めて低いとされる。7月31日付ア・クリチカ(1)が報じた。

ZFMは税制優遇措置により、国内外の製造業者が集まる重要な経済地域で、同地域内のマナウス工業団地(PIM)では特に、二輪車や家電、電子機器などの生産が盛んだ。

同州経済開発科学技術革新局のセラフィン・コレア局長は、昨年のPIMの対米輸出額は9900万ドルで、総輸出額の1%未満だと説明。一方、国内市場での売上は375億ドルに達する。「米国からの購入量が販売量を大きく上回り、米国への依存度は無視できるほど小さい。我々が購入するのは国内市場向けに加工される部品であり、これには何の影響も受けないだろう」と強調した。

また、米政府が発表した関税対象外リストには同州から輸出されるブラジリアンナッツや木材などの主要品目が含まれているため、直接的な影響はさらに軽減される見込みだ。

ブラジル工業連盟(CNI)も、同州の国内総生産(GDP)への影響を、当初予測していた11億レアルから大幅に引き下げ、最大でも110万レアルにとどまると発表した。

アマゾナス州工業連盟(Fieam)のアントニオ・シルヴァ会長も、関税の影響は「限定的」とし、国内市場での需要吸収により、新たなビジネスチャンスが生まれる可能性さえあるとの見解を示した。

7月28日付BNC(2)によると、ZFM内の企業は、税制優遇措置を活用することで、逆に競争力で優位になる可能性があるという。これらの企業は輸入税(II)の免除または軽減措置を享受できるため、原材料や部品をより安価に調達することができる。これによって、他地域の企業と比べて米国製品を低コストで取り入れることが可能となるため、投資家がZFMに注目する可能性も高まっている。特に、半導体などの技術的な製品を多く取り扱う業界では、この優遇措置を最大限に活用することができ、競争力を一層強化することが可能だ。サムスンやポジチーヴォといった携帯電話メーカーはその一例で、これらの企業はZFMの優遇措置を享受し、競争上の優位性を持つことができる。

一方、アマゾナス州工業センター(Cieam)のルシオ・フラヴィオ・デ・オリヴェイラ会長は、対米向け製品が輸出に占める割合は小さくても、特に高価な大型二輪車や家電関連機器が含まれるため、一部の製品には影響が出る可能性を指摘。さらに、「最も大きな影響はブラジル内の消費市場に現れるだろう。ブラジルがコーヒーや肉製品を米国に輸出しなくなると、米国から入るドルが減り、それがブラジル民の収入に影響を与えることになる。だが、我々の最大の輸出先は中国であるため、主要な問題ではない。それでも、この影響がPIMの製品需要に変化をもたらす可能性がある。これは間接的な影響であり、正確に測ることは難しい」と述べた。


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