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ブラジリア=広島・長崎80年原爆パネル展=「もし自国に原爆を落されたら」

2025年8月7日

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 在ブラジル日本国大使館主催の「80 Anos de Hiroshima e Nagasaki(広島・長崎80年原爆パネル展)」が5日午後3時、首都ブラジリアの連邦議会サロンネグロで開幕した。広島と長崎への原爆投下から80周年になることから企画され、写真などで被爆の実態を伝えている。15日まで。

 会場には、原爆投下直後の広島と長崎を撮影した写真や、被爆したあと12歳で亡くなり「原爆の子の像」のモデルとなった佐々木禎子さんのエピソードをポルトガル語で紹介するパネルなどが展示され、平和の尊さを伝えている。

 開幕式で石垣友明次席公使は、「戦争時に原爆を投下された世界で唯一の被爆国である日本にとって、その最大の使命は国際世論に原爆の廃絶を訴え続けることだと思います」と企画理由を説明。

 広島市内で被爆した後に移住し、ブラジリア在住の東海林俊恵さん(84歳、広島県出身)は、「私は5歳の時、爆心地から3キロの自宅で被爆しました。私の姉が学徒動員で被爆し、火傷で生命が危ぶまれ、その時薬がなく、桐のゲタの灰が良いとか、緋鯉の血を飲ませればと、大きな鯉を持ってこられたそうです。近所の人に親切にしていただいたと母親がいつも感謝していました」と当時の記憶を語った。

 さらに「私と従姉妹の2人で、オバの体に刺さったガラスの破片を従姉妹と2人でピンセットで2個とった、5個とったと覚えています」との生々しい記憶を振り返り、「戦争の無残さが身にしみています。設立された核兵器禁止条約を理解していただき、多くの国々に参加していただきたいです。私達被爆者全員の願いです」と訴えた。

 キム・カタギリ下議、エスペリジアオ・アミン上院伯日友好議連会長、スザン・クリーバンク外務省アジア太平洋局長らも出席し、「戦争を起こさないことが重要」と共感を示していた。

 開幕式に出席したブラジリア日本語普及協会の矢田正江理事長は「思わず目を瞑りたくなるような写真もあります。もしも自分の国に原爆を落とされたら――と原爆の恐ろしさを実感してもらえる写真ばかりです」との感想を述べた。

 この原爆パネル展は各地を巡回する予定。日程は各公館とスケジュール調整中。


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