麻野涼=『褐色の血』第一部「混濁の愛(上)」=《前編》=日本人の心の臨界点を探る旅

かつて日本文学の黎明期に第1回芥川賞を受けたのは、ブラジル移民を題材にした石川達三の作品『蒼氓』だった。それからおよそ90年を経て、再び移民の現実を正面から描いた長編小説が誕生した。麻野涼による『褐色の血』(幻冬舎刊)だ。全三部作の第一部にあたる「混濁の愛(上)」(www.amazon.co.jp/dp/B0FL1M3WWT)は、1970年代半ばのブラジルを舞台に、差別と愛、移住と家族の葛藤を描き出した重厚な序章だ。
著者の麻野涼は1970年代にブラジル移住して、パウリスタ新聞で記者をしていた。滞在した3年の間に日系3世の妻と出会い、帰国後はジャーナリストとして活...
有料会員限定コンテンツ
この記事の続きは有料会員限定コンテンツです。閲覧するには記事閲覧権限の取得が必要です。
認証情報を確認中...
有料記事閲覧について:
PDF会員は月に1記事まで、WEB/PDF会員はすべての有料記事を閲覧できます。
PDF会員の方へ:
すでにログインしている場合は、「今すぐ記事を読む」ボタンをクリックすると記事を閲覧できます。サーバー側で認証状態を確認できない場合でも、このボタンから直接アクセスできます。