富裕男性1人に若い女性3人=パパ活パーティーの実態

「パパ活パーティー」の実態を探るべく、サンパウロ市で開催されたものにG1の取材陣が潜入した。単なる華やかな社交の場にとどまらず、経済的背景を伴う現代の男女関係の多様性と複雑さを如実に示す社会現象として注目に値するものだと8月30日付(1)で報じられた。
このパーティーは、市南部の高級地区ヴィア・オリンピアのイベントスペースで28日(木)夜から29日(金)未明にかけて開催された。生演奏が響き渡る中、キャビアをあしらった高級前菜やシャンパンなどが並び、裕福な男性たちが若く美しい女性たちに囲まれるという光景が繰り広げられた。
主催は、男女の出会いを提供するパパ活専用マッチングアプリ「メウ・パトロシニオ(Meu Patrocínio)」。約40人のシュガーダディ(パパ)と120人ほどのシュガーベイビー(パパ活女子)が参加し、女性2~3人が男性1人の関心を惹き合う様子も散見された。
入場料には幅があり、女性向けの最も安価なチケットは440レアル(約1万2千円)だが、多くの女性は無料招待。一方、男性向けは2千〜3千レアル(約5万4千円〜8万1千円)と高額設定で、さらに10枚限定で1万1千レアル(約29万7千円)のVIPチケットも用意された。購入者には女性3人に渡せるリストバンドが配られ、同伴した女性と2階VIPエリアへ進み、より高級な飲料が提供されていた。
参加女性の平均年齢は27歳だが、50歳以上の女性も若干名。男性は30〜70歳と幅広く、平均はおよそ40歳だった。
イベント中、G1は数人のシュガーベイビーに取材を行った。25歳のカルラ・アルーダさんは18歳でこの世界に足を踏み入れた理由を、「付き合う相手について経済力の乏しさを嘆いていた母親の影響」と語った。「母はいつも『貧しい男と一緒になったら苦労する』って言っていた。だから私は、どうしたら成功した男性と出会えるのかネット検索してみたの。そうしてこのアプリに出会った」と明かした。関係を持ったシュガーダディとの経験は、プライベートジェットでの移動や専属運転手、警備付きの生活など夢のような日々と振り返り、「彼からは毎月2万5千レアル(約67万5千円)の手当をもらっていたの。もう普通の男性には戻れないわ」と率直に述べた。
36歳のモナリザ・コレアさんは、父親を亡くし、14年間続いた結婚生活に終止符を打ったことを機に、この世界に身を投じた。彼女は金銭的支援以上に、友情や精神的な支えを得られたことを強調。「最初は正直、恐怖もあったわ。でも、思いやりがあり、対等な関係を築いてくれる男性らと出会えたことに心から感謝」と語った。
55歳のあるシュガーダディーは「僕の資産は多くない、200万レアル(約5400万円)ほどかな。贅沢はしないけど、ベイビーには月に1万〜1万2千レアル(約27万円〜32万4千円)を使っているね。彼女を甘やかすことが僕の1番の楽しみさ」と淡々と話した。
一方、インフルエンサーのグラシアーニ・カブレラさんは「お金のためじゃない、価値の問題よ」と強調。「私は働いているし、会計士の資格もある。困っているわけじゃない。でも自分を高められる相手と恋愛したいの。たとえば、ある分野でめちゃくちゃ成功している男。私も同じく高みを目指しているの」と語った。
レチシア・プルンさん(年齢非公表)は母親とともに、ミナス・ジェライス州からイベントのためにサンパウロ市入りした。直前まで参加を迷っていたが、「母が『もうドレスも借りたでしょ? 行きなさい。綺麗にして素敵な男性に出会ってきなさい』って背中を押してくれた」と振り返る。母親の全面的な応援が彼女を動かした。
会場内ではVIPエリア入室目当てに、リストバンドを所持する男性に女性たちが群がる様子や、飲み放題を楽しんでハイテンションになった女性が酔い潰れ、警備員やスタッフに介助される場面も確認された。
女性用トイレではシュガーベービーたちが活発に意見交換を行い、「若い男は自尊心が高くて構ってくれないからダメ。経済的に余裕のある年配男性を狙うべきよ」との助言が飛び交った。トイレ内にはデオドラントや口臭ケア用品、縫製キットや吸収用品、香水スプレーなどの備品が充実し、長時間にわたる〝戦い〟を乗り切るための準備が整えられていた。
夜が深まるにつれ、音楽は生演奏からDJによるファンクへと変わり、パーティーはクラブの様相を呈した。参加者は自由に交流を深め、男性1人を女性2〜3人が取り囲む光景が頻繁に見られた。明確な行動ルールはなく、熱を帯びたキスが複数回目撃された。プライバシー保護の観点から、22時以降は携帯電話の使用が禁止されていたという。