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日本や全伯から120人集まる=ブラジル日本研究国際学会=AM州マナウス市で開催

2025年9月27日

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第15回ブラジル日本研究国際学会/第28回全伯日本語・日本文学・日本文化大学教師学会が9月10日から12日まで、アマゾナス州マナウス市のアマゾナス連邦大学(UFAM)で開催された。日本から10人を超える研究者が来伯したほか、ブラジル国内外からの研究者・大学教師・大学院生など約120人の参加者により、ブラジルでの日本語教育、日本文学、移民研究、日本とブラジルの政治関係などのテーマに沿って、パネルディスカッションやシンポジウム、ワークショップ、さらに60以上の研究発表が行われた。

田中ロドリゴ吉雪教授(学会会長・UNESP)の司会進行で10日10時から始まった開会式には、マナウス総領事館の宮川雄一総領事も参加した。続いて、神戸大学岡田浩樹教授による「コンタクト・ゾーンの観点から見た日本とブラジルの相互理解 ― グローバル化時代における 日本人・日本文化の自画像の脱構築」というテーマのオープニング講演が行われた。

午後には、シドニー・アントニオ・シルバ教授(Prof. Dr. Sidney Antônio da Silva:UFAM)と錦戸みどり准教授(UFAM)に岡田教授を交えて、「日本人移民:人類学視点から」というテーマでアマゾン地方への日本人の歴史的な移動の経緯が説明され、この地域ならではの特色ある日本人移民史に着目したパネルディスカッションが行われた。

2日目の午後のシンポジウム「ブラジルの日本語及びポルトガル語俳句における自然・環境・交流 ― アマゾンの句集を中心に」では、愛知県立大学前学長・同大学名誉教授の久冨木原玲(くふきはら れい)氏より、アマゾンを代表する句集として「山口敏子句集」が紹介された。

久冨木原氏は、この句集の中からアマゾンで生きる日本人の生活感と労働観が溢れる代表句を挙げ、生活の糧としての動植物の描写と先住民との具体的な交流の描写が多いことをその特徴として説明した。さらに、ブラジルで詠まれる俳句は目の前の自然と主体的に関わって表現されることが多いとし、「詠まれる土地ごとに俳句の概念が違い、その土地ごとにふさわしい季語があってもいい」と高く評価した。

最終日には、世界で500万部を売り上げ、ポルトガル語での翻訳も出版された『コーヒーが冷めないうちに』の著者川口敏和氏と田中教授とのパネルトークが永江ネイディ久恵教授(USP)の司会進行で行われた。川口氏からは自著の内容が説明されたほか、その執筆姿勢が軽妙な語り口で述べられ、新しいジャンルの日本文学への展望が語られた。世界的な人気作家の登壇で会場は大学生を中心に満席となり、日本文学と日本文化に興味がある人々の活気に満ちた雰囲気で学会が締めくくられた。




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