駐在員リレーエッセイ=第5回=不思議なほど縁ある人と会う国=ブラジルみずほ銀行 内藤昌宏さん
ブラジルみずほ銀行の内藤昌宏と申します。ブラジルみずほ銀行(みずほ銀行子会社)はドイツ系地場銀行を買収し、2013年より現地法人として活動開始致しました。その背景から数多くの非日系のお客さまからもお取引を頂いており、当地でニーズの高いデリバティブ取引を含めた通常のバンキングサービスは勿論、日系と非日系のお客さまの「ビジネスマッチング」にも力を入れてご案内致しております。
また、ビジネス全体では米州一体運営を行っているため、従来の商業銀行業務に加え、米国みずほが持つ機能を最大限に活用した投資銀行業務でも様々なサービスが提供出来るのも強みでございます。戦略的アドバイザリー、キャピタルマーケットソリューション、更には2年前のグリーンヒルの買収により、ここ南米を含めたグローバルベースのM&A、リストラクチャリング、プライベートキャピタルアドバイザリー能力も強化して参りました。ご用命ございましたら弊社営業までお気軽にお声掛け頂けますと幸いです。
私は2023年5月にブラジルに着任しました。これまでアジアしか経験がない私には、着任するまでブラジルは未知の世界でしたが、住み始めると居心地が良い場所だと感じました。理由は分かりませんが、もしかしたら日系社会に根付いた文化がベースとなっているからかもしれません。
ブラジルには約270万人の日系人がおり、サンパウロにはその7割程度が住んでいるようです。また、日本人も5万人弱が生活しています。最近感じているのは、それだけ沢山の日本人がいるにもかかわらず、ご縁のある方と出会うことが不思議なほど多いということです。初対面の方とご挨拶すると、「○○さん知ってますか? 前一緒に働いてたんですよ」と言った感じで大抵誰か共通の知り合いがいます。中には既に私の名前を知っている方もいらっしゃいます。
人脈が広がったきっかけは、駐在員向けのサックス教室でした。シンガポール赴任時代バイオリンのアンサンブルが楽しかったことを思い出し、昨年末から当地で習い始めたのですが、先生から演歌の伴奏バンドを紹介され、そちらにも参加させて頂くことになりました。ここから音楽の好きな方を通じたネットワークが広がることになります。
演歌の伴奏メンバーには日系人の歌手やプロの演奏家など沢山の方がいらっしゃり、仲良くさせて頂くことになりました。演奏の打ち上げで著名な写真家の方のお宅にお邪魔すると、ルーラ大統領の通訳の方など、また各方面の方と知り合いになる機会に恵まれました。演歌でご一緒したプロ奏者の方の伝手で参加した演奏会では、ピアノ演奏をされた漫画家さんも紹介頂きました。カフェオーナー主催のワイン会で演奏する機会を頂くと今度はワイン好きの仲間も増え、気が付くといつの間にか顔が広くなってしまいました。
サンパウロ市の人口が東京とほぼ同程度だということを考えると、初対面の方と共通の友人の話題で盛り上がることが多いのは不思議な気がしますが、それだけブラジルというのは人と人との距離が近い、いわば狭い世界だということだと思います。ブラジルは他地域にないネットワークで様々な活動を楽しめる稀有な場所ですので、新しい活動を検討されている方もこれから駐在される方も是非エンジョイして頂ければと思います。
※南米に駐在している皆さんを中心に、現地に移住して企業経営などに関わっている方まで、外国体験をテーマしたエッセイを募集しています。当地に赴任して気がついた日本や現地のこと、周りの皆さんと共有したいような体験、日本の知り合いに伝えたい内容などを、ぜひお寄せください。詳細の問い合わせは編集部(contatojp@brasilnippou.com、件名「駐在員リレーエッセイ」)まで。




