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『椰子樹』9月号(406号)

2025年12月16日

『椰子樹』9月号(406号)
『椰子樹』9月号(406号)

1938年創刊の『椰子樹』9月号(406号)が椰子樹社(多田邦治代表)により刊行された。

第77回全伯短歌大会の結果発表を16ページから掲載。それぞれの部門の1位は次の通り。互選(清谷益次短歌賞)=外山安津子、木村衛、金藤泰子、総合得点=山元治彦、野口民恵、題詠=富岡絹子。

大会作品互選の批評と鑑賞では《ネックレスはずしてくれと背をむける白きうなじは僕だけのもの》(山元治彦)に「久し振りにロマンチックな歌、『白いうなじ』の下の句が効いています。気持ちが若いですね」(寺田雪恵)との評。

《幾万の移住者の夢呑み込みてアマゾン大河滔滔と流る》(金谷治美)に「人間の一生と夢をアマゾンの大河に比喩対比された発想と、スケールの大きい言葉で描写されていることに共感共鳴いたしました」(早川量通)との評。

《赤花に黄蝶舞い来て戯れる窓越しに見る今日の幸せ》(檀正子)に「もしかしたらこの窓は病室の窓かな・・・とも思い、もしそうなら早く良くなられるように祈ります」(金谷治美)との評。

題詠「道」の小濃芳子選で1位《穏やかな卒寿の母の遺影にも辿りし道の険しさを秘め》(富岡絹子)に「人の道の苦労をよく分かった作者です。結句が生きております」との選者評。

この9月号の題詠「佳子様」には《佳子様のたぐい稀なる高貴さを日本人我誉れとなさむ》(山岡秋雄)、《古里を離り住む吾等に佳子様のやさしきお言葉心に沁みる》(杉田征子)

【編集余話】では「規模は縮小気味だが、今のところこの大会を終了しようという声は殆どない」「わずか五十人少々の催しだが、ここをお互いの境遇や心情を交換する場と考えてはどうだろう」との提案が書かれている。連絡先メール(kuniharutada@gmail.com)、WhatsApp(11・97242・5514)



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