文協=ブラジルに咲いた「日本の味」=17人のシェフ、秘伝の50品を一冊に=移住の記憶、食卓の彩りに
ブラジル日本文化福祉協会(文協)の和食普及委員会(福島マルレネ委員長)は2月25日夜、サンパウロ市内の文協ビルでレシピ本『Sabores Japoneses―日本の味』の出版記念イベントを開いた。会場には200人を超える人々が詰めかけ、100年以上の歴史の中で育まれてきた「コロニアの味」の集大成を祝うサイン会などで賑わった。
全128ページのオールカラーで構成された本書には、文協の料理講座などで講師を務めた17人のシェフによる50のレシピを収録。「前菜」から「鍋物」「御飯物」、そして「和洋菓子」まで全8章にわたり、家庭で親しまれている定番料理が網羅されている。彩り豊かなちらし寿司から、現代的な抹茶のショートケーキや和菓子まで、時代と共に変化し、愛されてきた一皿一皿が並ぶ。
かつてブラジルの日系家庭でバイブルのように親しまれた佐藤初江さんの料理本『実用的なブラジル式:料理と製菓の友』や、ブラジル農協婦人部連合会(ADESC)によるレシピ集『Delícias da mamãe』の系譜を継ぐ、待望の「現代版」といえる一冊だ。
同委員会の福島委員長は「料理レシピは移住者が持ち込み、大切に守り伝えてきた貴重な遺産です。家庭で手軽に作れるものから、少し趣向を凝らしたプロの味まで、まさに『ブラジル日本料理』の記録になりました」と感慨深げに語る。前委員長の上辻照子副会長も「2019年の活動開始以来、講師陣がボランティアで協力してくれた。一冊の本にまとめるのは委員会の悲願でした」と笑みをこぼした。
出版を助成した宮坂国人財団の佐藤テオドロ理事長は「6世の時代になっても、食卓に味噌汁と白ごはんは欠かせない。先祖への愛情がこの本には詰まっている」と、日系社会のアイデンティティとしての食の重みを強調。JICAブラジル事務所の宮崎明博所長に加え、高元次郎首席領事も駆けつけ、「日本の味とは違う、ここで進化した『多様な美味しさ』が詰まっている」と、現地に根付いた独自の日系食文化を称賛した。
文協の西尾ロベルト会長は「これは単なる料理の手順書ではなく、シェフたちの記憶やアイデンティティそのもの」と手に取ることを勧めている。1冊100レアル。現在、文協事務所で販売されている。








