『楽書俱楽部』第81号=読み応えあるコラムなど35編も
日毎叢書企画出版(前園博子代表)の『楽書俱楽部』第81号が2月15日に刊行された。今回も35人の投稿者によるバラエティ豊かなエッセイ等が148頁も満載だ。その本の一部を以下、紹介する。
「転倒の練習の進め」(鈴木さとし、39頁)では、いつものように近くの公園で走っていて、たまたま犬が戯れて飛びかかってきたのを避けようとして転倒した際の話。普段からの練習の成果が発揮され、犬の飼い主が「あなたの転倒シーンは映画のようだった」と告げるほど見事な転げ方だったよう。
「手で転倒の衝撃を受けない(手で地面を突っ張らない)」「頭を亀のようにすくめる」「肩で転倒のショックを受けない」「体を丸くしてボールのようになる」を自然に実践した結果、何のダメージも受けなかった。
高齢者は「たった一度の転倒で寝たきりになることも」とある通り、この心がけはとても大事なことだ。
「終戦から80年を経て思い出す事」(佐藤美子、87頁)には、壮絶な人生譚。終戦時に朝鮮の安養に住んでおり、父が警察署長だった。「治安が落ち着くまで残るように」と上官に言われた父を残し、母娘と叔母娘ら8人で釜山港から帰国。10月14日の夜中、3歳の弟が突然立ち上がり、「父ちゃんが切られた」と泣き出した。その後、それが正夢と分かり、父の生家の村で、残った親子で葬式をあげた。戦後、子供5人を苦労して育てた母は50歳で亡くなった。読売新聞の記事で海外移住婦人ホームのことを知り、研修を受けて1966年に渡伯。
日本に残った姉は、時間を見つけては韓国の父が死んだ場所を訪ね歩き、偶然、道を尋ねた人のお兄さんがお坊さんで、父の遺体を埋葬していたことが分かった。「父もやっと郷里に帰ることが出来ました。それまで25年以上の年月を要しました。姉の執念です」と綴る。
「移民の子『第4部 激動の中で4』」(有沢真理子、135頁)では、静岡県浜松市に出稼ぎに行った時の悲しい経験。ある夕方、市内電車に乗ると中学生らしい集団が乗り込んできた。金髪の女性と、日系らしい男性のカップルが乗っていたを見た彼らが「なんだ、ブラジルの山猿が、なんでこんなところにいるんだよ」というのを聞き、「私は、そのカップルがこの子達の話す日本語が分からないことを願った。祖国と仰ぐ日本にいて、こんな暴言を口々に吐く子供達の了見の狭さも嘆かわしかった」と書かれている。
次の原稿締め切りは3月末日。関心のある人は同企画出版(グロリア街332番S/32、電話11・99471・3577、nitimaisousyo@gmail.com)まで連絡を。








