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《チリ》ボリッチ氏が大統領に当選=史上最年少35歳の左派リーダー

2021年12月21日

ボリッチ氏(facebook)
ボリッチ氏(facebook)

 19日、チリで大統領選の決選投票が行われ、急進左派のガブリエル・ボリッチ氏が極右候補のアントニオ・カスト氏を破り、大統領に選ばれた。19、20日付現地紙、サイトが報じている。
 11月21日に行われた一次投票では、カスト氏が約28%、ボリッチ氏が約26%の支持率で決選投票に進んだ。だが、決選投票ではボリッチ氏が有利であるという世論調査がそのときから出ていた。
 そこに加えて12月に入り、ドイツ人であるカスト氏の父ミヒャエル氏が第2次世界大戦当時、ナチスに志願入党していたとの報道が行われたこともカスト氏に不利に働いた可能性がある。
 投票当日、首都サンチアゴでは36度を超える真夏日で、投票に行くことに二の足を踏む有権者もいた。また、郊外や地方ではバスの運行本数が50%に減っていたことなどで、ボリッチ陣営からは「(同氏の票田である)貧しい人たちに投票させないための戦略では」との苦情も出た。運輸相は、バスは平日ダイヤで運行したが、乗用車が大量に繰り出して、渋滞が起きたのだと弁明している。

 だが、ふたを開けると、投票率は2009年以降で最高の55%で、一次投票の710万人を上回る830万人が投票。有効投票数の55・87%を獲得したボリッチ氏は、10%ポイント以上の差をつけてカスト氏に勝利。カスト氏も敗戦後、すぐに敗北宣言を行った。
 ボリッチ氏は1986年生まれの35歳で、同国史上最年少の大統領となる。学生時代の2011〜12年に学生連盟の会長として学生抗議運動のリーダーとなり、14年、18年の選挙で下院議員に当選。2019年10月のサンチアゴでの地下鉄デモを発端とした長期の抗議行動の際は、チリの貧富の格差を生む元凶とされていたピノチェト独裁政権末期に作られた憲法改正で政府との交渉役を務め、注目を集めた。
 南米では、2019年のアルゼンチン、20年のボリビア、21年のペルーに続く左派大統領の誕生となった。ボリッチ氏は22年3月11日に大統領に就任する。


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