site.title

50%関税=危機感抱く産業界と会合=アルキミン「今月中に解決」=報復関税回避求める実業家

2025年7月17日

15日のアルキミン副大統領(Valter Campanato/Agencia Brasil)
15日のアルキミン副大統領(Valter Campanato/Agencia Brasil)

 ジェラルド・アルキミン副大統領は15日、米国によるブラジルからの輸入品に対する50%関税問題について話し合うため、企業関係者らと会合を行った。同副大統領は企業側が期待している高関税開始時期延期の懇願は行わなくて済むよう、今月中の解決に努める意向を表明した。一方、米国政府はブラジル側に貿易上の違反行為がないかの捜査に取り掛かり、ブラジルにさらなる圧力をかける意向だ。

 アルキミン副大統領は商工開発サービス相を兼務しており、15日、ブラジリアで関係者たちと会合を行った。会合に集まったのは、50%関税で特に大きな被害を被ることになる分野の代表者たちで、1回目は午前中に企業関係者たちと、2回目は午後に農業関係の輸出業者たちと行った。

 アルキミン氏は会合後、商工開発省(MDIC)で記者会見を行った。この際、生鮮食品について尋ねられたアルキミン氏は、今回の問題が同部門にとって繊細で緊急性を要するものであることを認めた。(1)

 ブラジル肉輸出工業会(Abiec)はこの会合後、ブラジルの食肉工場は既に、米国への輸出向け製品の生産を停止したことを認めている。

 また、工業、農業関係の実業家は、米国政府による50%関税の実施時期延期交渉を行わずに、ブラジル政府が米国製品に50%の関税を課す相互主義の実施を回避するよう、求めている。

 例えば、全国工業連合(CNI)は、8月1日に50%関税が始まるならば11万人の雇用削減が起こるとして、90日間の延期を求めている。航空公社エンブラエルも同様に、大量の雇用削減が起こる上、航空機の価格が最大で5千万レアル上昇し得ると見ている。ブラジル繊維工業会(Abit)も、50%関税で400億ドルの損失を見込んでいる。(2)

 アルキミン副大統領は「航空、鉄鋼、アルミ、機械、繊維、履物、紙など、貿易額の大きな全ての業界から話が聞けた。足並みが揃っていることも確認できた」と、会議が有意義であったことを認め、「実施延期を求めなくて済むように7月中の解決を目指す」と語った。

 アルキミン氏によると、ブラジル政府は新たな関税で影響を受けることになる米国産業界の代表と直接連絡を取っているという。これはトランプ大統領に対し、50%関税がブラジルだけでなく両国にダメージを与えるものであるとする主張を強化するためだという。(3)

 そのひとつと言えるのが、15日に米国商業会議所と在伯米国商業会議所が共同声明を出したことだ。声明では50%関税が米国においても家計を苦しめ、企業に損害を与えるとしている。(4)

 他方、米国政府はトランプ大統領の命を受け、ブラジル側の貿易上の違反行為の捜査に入ったと報じられている。この実施の可能性に関しては9日に50%関税を予告した時から言及されていた。

 これは1973年に制定された、米国の商業活動に影響を及ぼし得る外国の習慣の調査を規定する通商法第301条に基づくもので、中国も同法に則る捜査を受けたことがある。

 トランプ大統領はサンパウロ市の3月25日通りとPixに狙いをつけていると言われている。(5)


米国商工会議所=50%関税は米国も圧迫=関税引き上げ停止を要請前の記事 米国商工会議所=50%関税は米国も圧迫=関税引き上げ停止を要請トフォリ判事=ユセフ氏への判決を無効に=モロ判事の行動への疑惑で次の記事トフォリ判事=ユセフ氏への判決を無効に=モロ判事の行動への疑惑で
Loading...