《ブラジル》ポデモス党首がLJ仕掛人から献金の過去=モロとは不思議な因縁も

ラヴァ・ジャット作戦(LJ)の仕掛け人とされてきた闇ブローカー、アルベルト・ユセフ氏が、同作戦の元担当判事で大統領候補のセルジオ・モロ氏が所属する政党ポデモス党首のアルヴァロ・ジアス上議に政治献金を行っていた過去が明らかになった。12月29日付フォーリャ紙などが報じている。
それによると、ユセフ氏は1998年のパラナ州上議選で、民主社会党(PSDB)だったアルヴァロ氏に2万1千レアルの献金を行った。二人は、12時間に及ぶ飛行機での旅も一緒に行うほどの仲だったという。
この報道後、アルヴァロ氏、モロ氏は共に事実を認めたが、「その当時はユセフ氏が何者かを知らなかった」とコメントしている。
だが、ユセフ氏はその頃すでに、90年代に起こり、ブラジル最大級の汚職事件と呼ばれた「バネスタード事件」に関与していた。ユセフ氏はまだパラナ州立だったバネスタード銀行ニューヨーク支店の口座を使い、8億7680万ドルの金を横流しした疑いで2002年に逮捕された。犯行期間は1996~99年で、10代だった80年代にもパラグアイ国境近くでの闇商売で逮捕されている。
この事件の担当はパラナ州連邦地裁判事だったモロ氏で、2004年に7年間の実刑判決を下したが、報奨付証言者だったユセフ氏は、1年間服役しただけで自由になった。
だが、LJなどで犯罪行為を続けていたことが判明。2014年に行われたバネスタード事件の再審で4年間の実刑判決を受けた。
ユセフ氏は同年、始まったばかりのLJで逮捕されていた。同氏はペトロブラスを介した贈収賄工作の仕掛け人的存在として再びモロ氏に裁かれ、計100年超の実刑判決を言い渡された。だが、報奨付証言に応じたことで、同氏の実刑期間は3年間となり、2016年には自宅軟禁に切り替えられている。
アルヴァロ氏は2018年のポデモス結成当時から、政界きってのLJ支持の政治家として知られていた。