《ブラジル》貿易収支の黒字額で新記録=21%増の610億ドルに

3日の経済省貿易局の発表によると、2021年の貿易収支は610・1億ドルの黒字で、1989年の統計開始以来の新記録を更新と3、4日付現地紙、サイトが報じた。
昨年の貿易黒字は2020年の503・9億ドルを21・1%上回り、過去最高だった2017年の560・4億ドルと比べても8・9%増えた。
昨年の貿易収支の伸びは国際的なコモディティ価格上昇に支えられたものだが、ドル高や燃料の輸入増加、少雨・干ばつで生じた電力危機に伴う電気代高騰を緩和するための電力輸入量増加などで、経済省が予想していた709億ドルを大幅に下回った。
それでも、中銀が毎週発表する経済動向予測調査「フォーカス」が予想していた591・5億ドルは上回っている。
昨年の輸出額は2809・9億ドルで、営業日あたりの輸出額は一昨年を34%上回った。過去の最高額は2011年の2536・7億ドルだった。
他方、経済活動の再開と国際的な原油価格上昇で輸入額は2193・9億ドルに増え、営業日あたりの輸入額は一昨年を38・2%上回った。それでも、過去最高だった2013年の2415億ドルには遠く及ばず、史上5番目で終わった。
昨年の輸出量は前年比で3・5%増だったが、コモディティ価格の上昇で平均価格が28・3%上昇し、黒字増を後押しした。価格上昇が目立ったのは鉄鉱石の64・9%や原油の58・9%、大豆の30・3%などだ。
トウモロコシは干ばつや霜害などで輸出量が40・6%減少。価格上昇にも関わらず、輸出額は27・5%落ちた。砂糖も収量の問題があったが、価格上昇で輸出額が4・8%増えた。また、中国の禁輸で牛肉の輸出量は7%減り、輸出額の伸びが7%に止まった。