《ブラジル》南部諸州で干ばつが深刻化=農業生産などに甚大な影響

北部と北東部が深刻な水害に悩む中、南部では、少雨・干ばつが続き、農業生産などに影響が出ていると4日付アジェンシア・ブラジルなどが報じた。
リオ・グランデ・ド・スル州では13万8800軒の農家が干ばつの被害を受けており、水が確保できない家庭も5千世帯以上に上っている。同州内で干ばつの被害が出ている自治体は110市に上っており、96市は非常事態も宣言している。
同州では、干ばつだけでなく、40度超の高温による被害も出ており、北西部の諸市の被害額は10億レアルと見積もられている。
パラナ州では2029・6ミリの雨を期待していたが、12月の降水量は941・2ミリで終わった。クリチバ市やその周辺諸市では、12月23日から一時的に解除されていた輪番給水が4日から再開した。
サンタカタリーナ州では極西部、西部、中西部で干ばつが深刻化している。12月の平均降水量は、極西部が20ミリ、西部が31ミリ、中西部が46ミリだった。
同州政府が強く懸念しているのはトウモロコシの収穫で、収量が落ち込めば、牛肉や牛乳の生産にも影響を与える。同州政府はトウモロコシの収量を270万トンと予想していたが、現在は190万トンを割り込むと見ている。
事態を重く見た南部諸州と、南部同様に干ばつに悩んでいるマット・グロッソ・ド・スル州の関係者は、3日に農務省と会合を持って、減収、減産で苦しんでいる農家への緊急支援を申し入れた。
州側の代表者達は、借入金の返済に追われる農家の経済負担軽減のため、財政上の義務を免除する、農業活動保証プログラム(Proagro)の適用も要請している。
諸州の代表者と農務省の代表者は、今週中にもう一度、会合を持つ予定だ。干ばつに直面している州の関係者は、干ばつとそれに伴う被害で苦しむ農家への救済措置の明示と、テレーザ・クリスチーナ農相による現地視察を望んでいる。