南米大陸中央部で異常熱波予想=ブラジル南部でも40度超か

南米中央部で記録的な猛暑が続くとの予想が出ており、農業その他の分野で影響が出そうだ。
9日付METSULによると、異常高温に見舞われると見られているのは、アルゼンチン、ウルグアイの大部分ならびにブラジル南部とパラグアイだ。
ここ数十年間での最高記録を更新すると見られているのはウルグアイとアルゼンチンだが、ブラジルのリオ・グランデ・ド・スル州などでも記録的な高温に見舞われる見込みだ。
今回の熱波は南米地区でこの夏2度目で、最高気温は例年の1月の平均最高気温を10~15度も上回ると見られている。前回の熱波ではアルゼンチンのリヴァダヴィアで46・6度を記録したが、今回はそれを上回る見込みだ。
米国の研究機関NOAAの予想では、対象地域の大半は40度以上、一部地域では45度以上とされており、熱波の中心となるアルゼンチンやウルグアイ、ブラジルのリオ・グランデ・ド・スル州(西部と南部中心)の最高気温は45~50度に達する見込みだ。
リオ・グランデ・ド・スル州の場合、週末の最高気温は35度以上となり、一部地域では40度を超えると見られている。アルゼンチンの北部や北東部で始まった気温上昇はプラッタ川流域を中心に感じられる見込みだ。
同州では1910年に気温観測が始まったが、過去最高は、1917年にアレグレッテ市と1943年にジャグアラン市で記録した42・6度で、両年とも現在同州で起きているような強い干ばつが起きた。今回の熱波では、最高気温が42~43度に達すると予測されており、過去最高を更新する可能性がある。
15日の予想気温はポルト・アレグレが39~40度、同大都市圏が40~42度と見られており、週の間も同程度の高温が続く見込みだ。ポルト・アレグレの最高気温は1943年に記録した40・7度で、2014年にも40・6度を記録している。
なお、ブラジル国内で熱波の影響を受けるのはリオ・グランデ・ド・スル州だけではなく、サンタカタリーナ州防災局も10日、少なくとも20日まで、最高気温が40度前後に達する日が続く可能性ありと警告を発した。
南部諸州やマット・グロッソ・ド・スル州では、この夏も既に、干ばつによる農産物減収などの被害が出ている。農家は収穫を前倒しにするなどして対応を試みており、ここ数日も、大豆の収穫が行われている。