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《ブラジル》ルーラとのシャッパ、理想と現実=PSB知事選プランに狂い生じる=サンパウロをはじめ問題が続出

2022年1月15日

PSBのカルロス・シケイラ党首(PSB公式サイトより)
PSBのカルロス・シケイラ党首(PSB公式サイトより)

 大統領選で、ジェラウド・アウキミン元サンパウロ州知事とルーラ氏とのシャッパ(連立名簿)を前提に、労働者党(PT)に地方選での協力を求めているブラジル社会党(PSB)だが、同党の思惑通りにならない知事選が出てくる可能性が生じている。14日付現地紙が報じている。
 PSBは当初、民主社会党(PSDB)を離党したアウキミン氏を迎えてルーラ氏の副候補とすることと引き換えに、サンパウロ州、リオ州、エスピリトサント州、リオ・グランデ・ド・スル州、アクレ州、ペルナンブッコ州の6州の知事選で、同党の候補をPTに支持してもらう目論見だった。
 だが、同党にとって大事な、サンパウロ州、ペルナンブッコ州、リオ・グランデ・ド・スル州を中心に、思惑通りにはいかなさそうな様相が生じている。
 アウキミン氏がサンパウロ州知事時代の副知事で、アウキミン氏が大統領選出馬のために辞任した後は知事に昇進したマルシオ・フランサ氏は、同党の看板政治家でサンパウロ州支部長もつとめている。同党は是が非でも、サンパウロ州知事選に同氏を出馬させたい意向だ。だが、PTはルーラ氏の後継者のフェルナンド・ハダジ氏の知事選出馬を譲らない姿勢を見せている。
 また、PSB創設者のミゲル・アラエス氏の一族、そして2014年の大統領選中に起きた飛行機墜落事故で亡くなった同党のカリスマ政治家、エドゥアルド・カンポス氏の拠点のペルナンブッコ州で同党候補が決まらない事態が生じている。

 同党所属で現職のパウロ・カマラ知事は2期終了のため、同党は知事選候補の選出を迫られているが、有力候補だった元レシフェ市長のジェラウド・ジュリオ氏が出馬を固辞。それによって州支部が喧々諤々の状態になっているのに乗じ、PTのウンベルト・コスタ上議が知事選出馬に興味を示し始めているという。
 リオ・グランデ・ド・スル州でも、PSBが2014年の大統領選で同党から出馬したマリーナ・シウヴァ氏の副候補をつとめたベト・アルブケルケ氏の知事選出馬を願っているのに対し、PTは、同州のPSBがPTの政敵であるPSDBのエドゥアルド・レイテ知事を支持しているとして、協力に難色を示しているという。
 また、PSBが社会主義自由党(PSOL)から移籍してきたマルセロ・フレイショ氏の擁立を予定しているリオ州の知事選でも、問題が浮上している。フレイショ氏はネット上での人気が高く、2016年のリオ市長選で次点になった上、ルーラ氏のお気に入りとあり、うまくいくと思われていた。だが、ここにきて、「急進左派のフレイショ氏を推せば、ルーラ氏が欲しい中道票が離れるのでは」との懸念をPTが抱き始めているという。
 アクレ州の知事選でも、PSBのジェニルソン・レイテ州議を推す意向なのに、PTのジョルジェ・ヴィアーナ元上議が出馬を希望しているという。
 アウキミン氏獲得は連帯(SD)や緑の党(PV)も狙っている。両党とも、アウキミン氏がルーラ氏の副候補となることを受け入れる態勢でいる。


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