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フェイクニュースCPMI=2月から本格再開へ=問題は休止期間中に悪化=選挙にらみ、さらに強化へ

2022年1月20日

アンジェロ上議(上院公式サイト)
アンジェロ上議(上院公式サイト)

 フェイクニュースに対する両院合同の議会調査委員会(CPMI)が2月から本格的に活動を再開する。10月に行われる大統領選をはじめとした選挙への対応を目的としている。最高裁のフェイクニュース捜査対象にはボルソナロ大統領やその一家も含まれている。19日付現地紙が報じている。

 フェイクニュースは2019年3月、当時最高裁長官だったジアス・トフォリ判事に関する虚報が拡散されたことで最高裁が問題にしはじめた。その後、2018年大統領選でのボルソナロ氏の支持者による携帯端末を利用した、同氏の政敵に対する大量の虚報拡散や、ボルソナロ政権内での大統領次男カルロス氏を筆頭とする影の通信部「憎悪部隊」が社会問題となった。
 そうした経緯から2019年9月に上院、下院各16人からなるCPMIが結成された。当時は前述の18年大統領選での虚報拡散に関する調査や、ボルソナロ派と袂を分かったジョイセ・ハッセルマン下議員(社会自由党・PSL)がネット上で受けた攻撃被害後に行った供述などをもとに、憎悪部隊の情報伝達構造を解明することなどが行われた。
 このCPMIは2020年3月、新型コロナウイルスによるパンデミックによって終焉を迎えている。
 だが、虚報問題はこの後により大きな問題となっていった。パンデミック突入直後、ボルソナロ大統領の支持派は「反連邦議会・反最高裁」を銘打った「反民主主義デモ」を頻繁に開催。これを問題視した最高裁が「反民主主義」「フェイクニュース」の二つの捜査を開始することになり、ボルソナロ氏支持派の政治家、企業家、ジャーナリストらが一斉に捜査対象となった。

 また、20年にはコロナウイルス、21年には「過去の大統領選での不正疑惑」など、大きなフェイクニュースの元となる話題が浮上したことで問題をさらに深めている。
 最高裁のフェイクニュース捜査は「デジタル・ミリシア(ネット犯罪者)捜査」と名を改めたが、そこには既にボルソナロ大統領自身が捜査対象として加えられている。
 今回のCPMI再始動は、委員長を務めていたアンジェロ・コロネル上議(社会民主党・PSD)と報告官のリディセ・ダ・マタ下議(ブラジル社会党・PSB)が示唆しているもので、10月の選挙を睨んで、「選挙結果に影響を及ぼす行為」「大量の虚報拡散」に特化したものになるという。
 また、アンジェロ上議によると、選挙高裁と連邦検察庁との合同委員会の発足も考えられており、本格的な選挙期間の始まりとなる8月15日に向けて結成したいとしている。
 「CPMIが社会と三権との間の良い架け橋になれれば。公正で落ち着いた、他の候補者に対して汚い手段を使わせない選挙にしたい」と、アンジェロ上議は語っている。


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