《ブラジル》工業信頼感指数=20年7月以降で最低に=6カ月連続低下で100P切る

ジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)が27日、1月の工業信頼感指数(ICI)は前月比で1・7ポイント(P)低下し、98・4Pとなったと発表したと同日付Valor紙電子版などが報じた。
ICIは0~200で表され、100を切ると否定的な状態といえる。1月の数値は、2020年7月に記録した89・8P以来の低い数字となった。
また、ICIの低下傾向は6カ月連続しており、昨年11月からの3カ月間では2・3P低下している。
FGVノクラウジオペルジゴン氏は、2022年がネガティブな状態で始まったのは、オミクロン株による新型コロナの感染拡大による働ける従業員数の減少や、感染再燃が起きた国々での規制強化によって先行き不安感が原因だと見ている。
「このような状況だと、生産活動のペースも需要の拡大の見通しも崩れる。ICIが6カ月も連続して低下したのは、8カ月連続して低下した2014年以来の出来事だ。工業界を悩ませていた原材料不足が徐々に解消してきている事も、今年の実績回復につながる事だろう」と、同氏は述べている。
1月のICIの悪化は、現状分析と将来の見通しの双方で起きている。
現状に関する指数(ISA)は1・2P低下して99・8Pとなった。これは20年8月の97・8Pに次ぐ低い数値だ。将来への見通し(IE)も2・0P下げ、2021年4月の96・9Pに次ぐ低い数値となる97・1Pとなった。
ISA関連の項中では、現在のビジネスの状態に対する評価の89・4Pが最も低かった。この項目は前月比で6・4P低下しており、20年7月の87・0P以来の低い数値となった。現在の需要は4・2P減の99・5Pで、7カ月間では14・1Pの低下となっている。
IEを構成する項目の中では、今後3カ月間の生産見通しが4・7P減の94・1Pとなり、ICI全体を低下させた。この項目は21年5月に記録した93・1P以来の低い数値となった。
今後数カ月間の雇用に関する見通しは変動が0・3Pに止まり、肯定的評価となる102・1Pを保った。今後6カ月間のビジネスの見通しは否定的な見方が続き、1・2P減の95・4Pを記録。この項目も、20年8月の88・8P以来となる低い数値となっている。