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《ブラジル》電気代支払い遅れ過去最多=低所得世帯では約40%で

2022年2月2日

支払いが1カ月遅れの家庭と3カ月遅れの家庭の割合と低所得世帯数の推移(1日付エスタード紙電子版の記事の一部)
支払いが1カ月遅れの家庭と3カ月遅れの家庭の割合と低所得世帯数の推移(1日付エスタード紙電子版の記事の一部)

 新型コロナのパンデミックによる所得低下と、少雨・干ばつによる電気代の値上がりとで、電気代を期日までに払えない人が増えていると1日付エスタード紙などが報じた。
 国家電力庁(Aneel)によると、低所得世帯の場合、2021年中に電気代の支払いが少なくとも1カ月遅れたという家庭が39・43%に上った。このグループは右肩上がりに増えている。
 Aneelによる支払い遅れの調査は2012年から行われており、最初の年は17・85%だったから、倍以上に増えている。
 また、支払いが3カ月遅れた事がある家庭は7・29%だが、こちらは12年が7%余りで、リセッションが起きた14年頃には11%強に増えたが、その後は3~4%台で推移。パンデミックで8%強に増えたが、昨年は少し改善した。それでも、債務不履行に陥った家庭は70万168世帯に上った。
 パンデミックによる所得低下で払いたくても払えない人には電気を切る措置が一時的に禁じられていたが、この措置は昨年10月で終わったため、電気を切られる人も出始めている。

 電気代が支払われていないために電気を切られた家庭は2019年が130万世帯、パンデミック初年の2020年は救済措置が始まった事もあり、3万9100世帯だった。 
 Aneelによる調査では、1人あたりの世帯所得が最低賃金の半額(現在なら606レアル)以下の家庭を低所得世帯とみなしている。
 別の調査によると、2015年以降の電気代は114%値上がりしており、この間のインフレ率である48%の倍以上上がっている。現在の最低賃金はインフレ率並みの調整となっているから、電気代の値上がりは低所得世帯の懐を直撃している。昨年のインフレ率は10%強だったが、電気代は21・21%値上がりしている。
 なお、Aneelは全所得層での支払い遅れについても調査しており、少なくとも1カ月は遅れた事がある家庭は22・44%に上った。3カ月遅れた家庭は3・08%で、いずれの場合も低所得世帯だけの場合より低率だが、電気代の値上がりが庶民の懐を圧迫している事は明らかだ。昨年、債務不履行に陥った家庭は1113万5772世帯あった。


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