《サンパウロ州》州政府がカーニバルを任意休日に=接種効果などで規制緩む=入院者減も重症児は急増

サンパウロ州のジョアン・ドリア知事が2日、今年のカーニバルは任意休日(ponto facultativo)とし、州の機関は2月28日(月)から3月2日(水)正午まで休日扱いとする知事令を出したと2~3日付現地紙、サイトが報じた。
例外は健康、治安、輸送サービスなどの生活必需サービスだ。それ以外の機関は28日から休みに入り、灰の水曜日(2日)の正午から業務再開となる。
昨年は州内6地区が新型コロナの感染状況赤レベル、他の11地区もオレンジだったため、感染抑制の意味でカーニバルは平日扱いとされた。
今年はオミクロン株で感染が拡大中だが、予防接種効果とオミクロン株の特性とで感染状況は昨年よりましと見られている。
だが、オミクロン株による感染拡大で、道のカーニバルは大半の市が中止とした他、州が閉鎖空間でのフェスタを禁止する事態が発生。サンパウロ市のサンボドロモでのパレードも、4月に延期された。
カーニバルを任意休日とするかは、サンボドロモでのパレード延期以来、注目されていた。ただし、セアラ州では平日扱いにするなど、各自治体で状況が違い、確認が必要だ。
サンパウロ州の3日現在の集中治療室(UTI)と一般病室の新規入院者の7日間平均は1362人で、1週間前の1504人より9・5%減った。これは、オミクロン株による感染確認以来初の減少だ。
入院者総数の7日間平均は1万1365人(UTI3996人、一般病室7369人)で、UTIは昨年8月21日の4082人に次ぐ数だ。昨年のピーク時のUTI入院者は1万3千人超で、医療崩壊が発生。病床待ちの死者は500人を超えた。現状は1月30日~2月5日の感染者が6万1123人、死者は1719人で、感染者は前週比で17・7%減ったが、死者は14・1%増えた。
また、1月はサンパウロ市最大の公立小児科病院に新型コロナ擬似症で入院した重症児が112人(内39人は感染確認)おり、昨年12月のゼロや昨年同月の4人から急増。基礎疾患などがない健康児が感染して重症化する例は他の小児科病院でも増えている。
また、シリオ・リバネス病院は、3カ月間の死者の85%は未接種者や接種未完了者と発表。専門家は「ブラジルは未接種や接種未完了者のパンデミック中」と表現している。