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《ブラジル》Selic上昇は外国人投資家には魅力=でも400万世帯が家購入困難に

2022年2月15日

Selic引き上げで実質金利が6・41%になったと報じる4日付フォーリャ紙電子版の記事の一部
Selic引き上げで実質金利が6・41%になったと報じる4日付フォーリャ紙電子版の記事の一部

 中央銀行通貨政策委員会(Copom)による経済基本金利(Selic)引き上げで、外国人投資家には魅力が増したが、家屋購入などは困難になったと5、12日付フォーリャ紙などが報じた。
 Copomが2日にSelicを年10・75%に引き上げた事で、ブラジルの実質金利は主要40カ国中1位の6・41%となり、ロシアの4・61%やコロンビアの3・02%を大幅に上回った。これは外国人投資家をひきつける理由となる。
 だが、インフレ抑制の切り札としてのSelic引き上げは、経済活動を抑制する効果もある。それは、金利が上がると投資や経済活動拡大のための融資や貸付などの利用が減るからだ。
 融資や貸付の利用の差し控えは債務不履行家庭の減少も招くが、ローンや分割払いの利用が減ると、家や車などの高額物件の購入が困難になる。

 ジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)によると、Selicが10・75%になった事で、2%だった時よりも家屋購入が困難になった家庭は350万世帯あり、5月までに到達見込みの12・25%だと、400万世帯が持ち家の夢を諦めざるを得ないという。
 これは、金利引き上げで毎月の返済額が上がる上、資格審査も厳しくなるなどの諸条件が重なるためだ。
 25万レアルの家屋購入の場合、2%なら標準的な月々の返済額は2191レアルだったが、現在は2725レアルに上昇。返済額は世帯所得の30%までとの原則からいえば、最低必要な月収額も、7303レアルから9083レアルに増す。
 主要銀行は家屋購入用融資の返済金利を凍結しているが、それでも、現在は高インフレで購買力が落ちているから、家屋購入はますます遠のくことになる。


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