《サンパウロ州》知事選「5月の世論調査で決着を」=フランサがルーラに伝える=現状ではハダジが有利も

ルーラ元大統領(労働者党・PT)は22日、サンパウロ市でブラジル社会党(PSB)のマルシオ・フランサ氏と直接会談を行った。フランサ氏はこの席で、「5月の世論調査での支持がフェルナンド・ハダジ氏(PT)に及ばなければ、サンパウロ州知事選への出馬を取り下げる」との約束を行った。22、23日付現地紙、サイトが報じている。
PTとPSBは、ブラジル共産党(PCDoB)や緑の党(PV)とともに、10月の統一選挙に向けた連立(フェデラソン)を組もうと交渉している最中だが、連立の選挙高裁への届出の締め切りが迫る中、まだ合意を見ていない。
交渉難航の最大要因となっていたのがサンパウロ州知事選だ。PSBは、知事を務めたこともあるフランサ氏の擁立を希望しているが、PT側は元サンパウロ市市長で18年大統領選次点のハダジ氏の出馬を譲らない状態が続いている。
PSB側は、フランサ氏がサンパウロ州副知事だった時の知事でサンパウロ州政界の大物のジェラウド・アウキミン氏を同党に迎えた上、大統領選でルーラ氏の副候補に彼をつける見返りとしてフランサ氏の知事選出馬を望んでいる。
だが、PT側は、民主社会党(PSDB)による7期連続の知事職独占にストップをかけ、同党初の聖州知事誕生を画策しているところだ。
この件の結論が出ないため、ルーラ氏が自らフランサ氏と会うことを望み、実現したのが22日の会談だ。会談は2時間ほど続き、フランサ氏が「5月の時点の世論調査でハダジ氏の支持率が自分を上回っていたら、知事選への出馬を取りやめる」と伝えたという。フランサ氏は、「PTとPSBが組んだと仮定した場合の自分とハダジ氏の支持率の比較を行って欲しい」と提案している。
この提案では現状、フランサ氏の方が不利ではある。18日に発表された調査団体Ipespe(旧Ibope)のサンパウロ州知事選の世論調査では、フランサ氏はいずれのシナリオでもハダジ氏に負けているからだ。
同調査では幾つかのケースが設定されているが、「アウキミン氏、ハダジ氏、フランサ氏の3人が出馬した場合」ではアウキミン氏とハダジ氏が20%で並び、フランサ氏は12%だった。
アウキミン氏を外した場合も複数のシミュレーションが行われ、「ハダジ氏とフランサ氏が直接対決した場合」はハダジ氏が28%対18%で勝っている。また、「ハダジ出馬でフランサ氏断念の場合は」はハダジ氏が33%、「フランサ氏出馬でハダジ氏断念」ならフランサ氏が31%で1位だ。この場合の2位はタルシジオ・フレイタス・インフラ相で15〜16%ほどの支持だ。
「ハダジ氏がルーラ氏とアウキミン氏の支持を得たと仮定した場合」には38%で、ボルソナロ氏の支持を得たと仮定したタルシジオ氏の25%を上回っている。この場合、フランサ氏でのシミュレーションは行われていない。
フランサ氏はルーラ氏に「PTとPSBの連立を強く望む」と伝えた上、21日付のブログでも「最終的に決めるのはルーラ氏」と語っていることから、同氏の抵抗は強くないことがうかがわれる。