《ブラジル》下院でカジノ合法化法案を承認=福音派などの強い反対の中
23日、下院でカジノなどのギャンブルを合法化する法案の審議が行われ、長い審議の末、24日未明に行われた投票で承認された。修正動議の審議は24日に行われ、それも承認されれば上院に回される。ボルソナロ大統領は同法案に拒否権を行使する予定でいる。24日付現地サイトが報じている。
同法案は、対面式またはオンラインでの、カジノやジョゴ・ド・ビッショ、ビンゴなどのギャンブル業を合法化するためのものだ。
ジョゴ・ド・ビッショは19世紀の末に生まれた賭け事で、1930年にリオのカーニバルが興行として大きくなった際に栄えたが、1946年に連邦法で全面禁止となっていた。ところが、いくら禁止しても闇営業などが続いて資金洗浄に使われるなど、犯罪を誘発する側面もあり、1991年以降はむしろ合法化が検討されていた。
だが、主に福音派から、「家庭の価値を破壊しかねない」などの理由で強い反対が起きていた。今回の法案も福音派やカトリック教会からの受けが悪く、報告官のフェリペ・カレアス下議(ブラジル社会党・PSB)が根回しを行ったり、アルトゥール・リラ下院議長が投票を先延ばしにするなどの戦略を取らざるをえなかった。
また、投票結果も、246対202というかなりの接戦での承認だった。この法案は24日の本会議で修正動議を審議することになっており、承認されれば上院に回るが、福音派に強い支持を持つボルソナロ大統領が拒否権を出すと予想されている。