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《ブラジル》クリスチーナ農務相=今月中に国家肥料計画発表=10月までは在庫ありと保証

2022年3月5日

 【既報関連】ロシアによるウクライナ侵攻が激しさを増している中、テレーザ・クリスチーナ農務相が3日、国内での肥料生産拡大を含めた「国家肥料計画を今月中に発表する」と語ったと同日付現地サイトが報じた。
 ブラジルは国内で使う肥料の80%を輸入に依存しており、肥料提供国であるロシアとウクライナが戦争状態に入った事や、欧米諸国を中心とする経済制裁でロシアやベラルーシとの貿易や決済が困難になる事などから、農業生産への影響を懸念する声が高まっている。
 実際に、ロシア政府は4日、大手の海運企業が同国でのオペレーションを停止した事などで既に購入済みの肥料の納入も困難になったとして、肥料輸出の一時停止を生産者に命令した。ブラジルは輸出停止対象国には入っていないが、海運が止まっているため、少なくとも当面は同国産の肥料の受け取りは望めない。

 クリスチーナ農務相は2日、少なくとも10月までは肥料の在庫があると発言しており、カナダやイランといった国からの肥料の買い付けも計画していると述べた。
 だが、窒素、リン、カリウムという三大要素を含む肥料を他国に依存している現状への不安を軽減する必要があり、発表されたのが、国内生産を拡大するための国家計画導入だ。三大要素の中でも最も重要とされるリンは93%を国外に依存している。
 同相によると、国家計画の導入は1年前から九つの省庁の代表を集めて準備を進めていたもので、計画書は3月末に提出するという。
 クリスチーナ氏は2日も、「現在栽培中の作物に使う肥料は心配する必要がないが、9月末から10月にかけて使う肥料の調達が必要だ」としたが、「民間所有の分も入れると10月までは国内の在庫で足りる」とも述べている。
 ブラジルは世界で4番目の肥料消費国で、農産物の収穫量は肥料によっても左右される。


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