《ブラジル》連警が大統領所属政党下議3人を捜査=マラニョン州知事候補らに汚職疑惑

連邦警察は11日、ボルソナロ大統領が所属する自由党(PL)の下議3人に対し、汚職疑惑に関する家宅捜査を行った。11日付現地サイトが報じている。
今回の捜査は2020年12月に行われた「アジオ・フィナル作戦」から派生したもので、ジョジマール・デ・マラニョンズィニョ、ボスコ・コスタ、パストール・ジルデネミルの3下議がその対象となった。
3人に対する捜査のきっかけとなった容疑はマラニョンズィニョ下議が画策したと疑われている汚職計画で、架空企業を使って議員割当金を横流ししたとされている。同下議はアジオ・フィナル作戦の際、2020年4~12月に、保健関係の公金1500万レアルを横流しした容疑で捜査されている。
同下議は昨年12月に地元の事務所で多額の現金を処理していたところを連警にみつかり、さらなる捜査を受けていた。この時見つかった現金は架空企業を使ってマラニョン州内の複数の市に横流しされた後、同下議の側近などが引き出してきたものだという。
今回の捜査は最高裁のリカルド・レヴァンドウスキー判事の承諾を得て行われたもので、下議3人の自宅と地元にある政治事務所が家宅捜査の対象となった。連警は連邦議会内にある下議たちの事務所での捜査請求も出していたが、それは却下された。
昨年12月の捜査は、ボルソナロ氏がPLに移籍した頃に行われたものなので、大統領はこのスキャンダルをかなり気にしていた。マラニョンズィニョ氏は10月のマラニョン州知事選に出馬予定で、北東部での支持の弱いボルソナロ氏にとって頼りにしたい存在だった。だが、このスキャンダルのため、ボルソナロ氏の側近がマラニョンズィニョ氏の出馬取り消しを求めていた。
マラニョンズィニョ氏はPL党首のヴァルデマール・コスタ氏の古くからの友人として知られている。メンサロン事件での収賄容疑で実刑に服した経験があるヴァルデマール氏を始め、PLの要人に汚職が多いことは以前から指摘されていた。