《ブラジル》1月の工業生産が2・4%減=パンデミック前には戻れず=15地域中10地域で減産

地理統計院(IBGE)が15日、1月の工業生産は15地域中10地域で落ち込み、前月比では2・4%の減産となったと発表したと同日付現地サイトが報じた。
1月の工業生産が前月比で2・4%減だった事は9日に発表された。この数字は1月としては18年1月の2・6%減に次ぐもので、12カ月間では昨年3月の2・5%減に次ぐ大幅減。これで昨年12月の2・9%増の大部分を喪失した。
昨年1月比では7・2%減で、15地域中11地域で昨年同月比で減産となった。パンデミック前の20年2月比では3・5%減、過去最高だった11年5月比では19・8%減だった。
工業生産は昨年6月以降伸び悩み、12カ月間の生産増も、昨年8月の7・2%増以降5カ月連続で低下。12月は3・9%増、1月は3・1%増に落ち込んでいる。
1月の減産が目立ったのは部品調達難で生産調整も起きた自動車生産の17・4%減とミナス州の大雨の影響などが出た鉱業の5・2%減で、飲料や金属加工、化学工業、医薬品なども減産となった。増産だったのは石油派生品やバイオ燃料の3・5%増、食品類の1・4%増などだ。
1月の工業生産を地域別に見ると、アマゾナス州13%減、ミナス州10・7%減、パラー州9・8%減などが突出。サンパウロ州の1%減やリオ州の1・4%減、北東部の1・6%は小幅な方だ。
他方、マット・グロッソ州の4・0%増やエスピリトサント州の2・6%増はじめ、バイア、サンタカタリーナ、リオ・グランデ・ド・スルの5州が前月比増を記録した。
12カ月間の成長が著しかったのはサンタカタリーナ州の8・5%増やミナス州の8・3%増、パラナ州の7・8%増など。減産だったのはバイア州の125%減や北東部の6・9%減、パラー州の6・89%などだ。
2月末には工業製品税(IPI)の減税も起きたが、パンデミックで生じた部品不足が続いた上に、経済基本金利(Selic)が高止まりし、機械や設備などへの投資が難しい事などが、全部門がパンデミック前の水準に戻るのを困難にしていた。
そこにウクライナ危機が起き、高インフレ、高金利が長引きそうな様相である事などで、今年も不透明感が拭えない。高インフレは消費者の購買力を殺ぐし、燃料費の値上がりは輸送費や電気代などの値上がりも引き起こすため、当面は厳しい状況が続く見込みだ。