《ブラジル》我が子を迎えにウクライナへ=代理出産頼んだブラジル人夫妻

2月24日に始まったロシアによる軍事侵攻で苦戦を強いられているウクライナ。だが、激しい戦火の中で生まれた我が子を迎えに行くため、準備をしているブラジル人夫妻がいると21日付G1サイトなどが報じた。
はやる心を抑えながら渡航の準備をしているのは、エスピリトサント州州都のヴィトリア市に住むジョアン・パウロ・ボグッキ氏とプリシラ・ロドリゲス氏だ。
二人は何度か体外受精を試みたが、うまくいかず、昨年3月にウクライナに行き、代理出産を依頼した。ウクライナは代理出産が法的に認められており、精子と卵子を採取し終えた二人はブラジルに帰国。体外受精した卵子を宿した代理母の妊娠の様子などの連絡を受けながら、我が子を迎えに行く日を指折り数えていた。
そんな状況下で起きたのがロシアによる軍事侵攻で、代理母と胎児の安全を案じながら過ごしていた二人に、男児誕生の知らせが届いた。
ジョアン・レヴィ君が生まれたのは19日。ウクライナの首都キエフにある産院から、レヴィ君と代理母は出産予定日の数日前から安全な場所に移され、無事に生まれたとの連絡が入ったのだ。
ジョアン・パウロ氏によると、レヴィ君は生後3日間、観察下に置かれた後、産院所有の地下の避難所に移された。代理出産の子供は、ここで両親が来るのを待つのだという。
同様の状況におかれている夫妻はブラジル人に限らないが、代理出産を待っているブラジル人の夫婦も、ジョアン・パウロ氏とプリシラ氏だけではない。
ジョアン・パウロ氏によると、ブラジル大使館も、複数の代理母達に対するケアを行っており、我が子を迎えに行こうとする夫婦を支援してくれているという。
ジョアン・パウロ氏達は26日にブラジルを発ち、ウクライナ西部のリヴィウを経由して我が子に対面する予定だ。旅行に関するオリエンテーションは、ウクライナやポーランドといった東欧諸国にあるブラジル大使館や総領事館の職員から受けているという。
「私達より先に子供を迎えに行った夫妻も何組かおり、万事うまく行った。もちろん、戦争故の困難も多く、幸福感を味わうと共に懸念も抱いている。でも、神の思し召しなら、全てがうまくいくはずだ」とジョアン・パウロ氏は語っている。