《サンパウロ州》ボウロスが知事選出馬を断念=左派候補の票一本化へ

2020年のサンパウロ市市長選で次点だったギリェルメ・ボウロス氏(社会主義自由党・PSOL)がサンパウロ州知事選に出馬せず、下議選を目指すと21日に明らかにした。同知事選で左派票をまとめることが目的だという。21、22日付現地紙、サイトが報じている。
ボウロス氏は21年4月にサンパウロ州知事選を目指すことを公言して準備を進めてきた。だが、知事選を半年後に控え、方向転換した意向をフォーリャ紙などに語っている。
ボウロス氏は知事選を断念した理由について、「左派が団結し、トゥッカーノ (民主社会党・PSDB)による独裁を終わらせなければならない」と表明。1995年以来、28年続いてきているPSDB政権の打倒を掲げ、「そのためには左派票をまとめなければ。自分は適役ではない」とした。
同氏は知事選出馬を断念し、下議選に臨むことを明かしたが、その理由を「国政でセントロンを倒さなければならない」とし、「自分が出馬することでPSOLの議席増に貢献したい」と話した。
PSOLは現状で下議数9人と少数ではあるが、ボウロス氏は2018年、当時36歳で臨んだ大統領選で10位に入る健闘を見せており、20年のサンパウロ市長選でも、ブルーノ・コーヴァス氏(2021年死去)に次ぐ2位だった。同氏はツイッター、インスタグラムで共に約170万人前後のフォロワー数を誇るなど、左派の若手政治家の中でカリスマ的人気を保っている。
ボウロス氏の出馬断念で、サンパウロ州知事選はフェルナンド・ハダジ氏(労働者党・PT)やマルシオ・フランサ氏(ブラジル社会党・PSB)といった他の左派候補が有利になるが、ボウロス氏はかねてからハダジ氏への接近が目立っていた。両者はすでに話し合いを行い、「選挙期間中は左派同士で攻撃し合わない」ことなどを約束していた。
ハダジ氏はボウロス氏の声明の後、「PTは2024年のサンパウロ市市長選で必ずボウロス氏を支援する」と語っている。