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《ブラジル》高等裁判決「デウタンはルーラに賠償を」=LJ元主任に慰謝料支払い命令

2022年3月24日

2016年9月のデウタン氏(Twitter)
2016年9月のデウタン氏(Twitter)

 連邦高等裁判所(STJ)の第4小法廷は22日、2016年に「ペトロブラスの汚職作戦の黒幕」としてルーラ元大統領を糾弾したパラナ州連邦検察局のラヴァ・ジャット(LJ)作戦元主任のデウタン・ダラグノル氏に対し「精神的損害を賠償する必要がある」との判断を判事投票4ー1で下した。23日付現地紙が報じている。
 2016年9月、LJ作戦に関する共同記者会見の席で、デウタン氏はパワー・ポイントを使って事件の全体像を図解説明した。その際、ルーラ氏を中心に置き、LJ作戦の諸々の事件を周辺に描いてそこから矢印を中央に向かってつけ、「ペトロブラスの汚職作戦の黒幕はルーラ氏だ」と発表した。それに対して、ルーラ弁護側から慰謝料請求裁判が起きていた。
 この行為は当時から物議を醸し、LJ作戦全盛期のハイライトのひとつだった。この図の通り、ルーラ氏は2017年9月の1審で当時のセルジオ・モロ・パラナ州連邦判事から収賄などの容疑で9年の実刑判決を受けた。翌年に2審でも有罪となったことで4月に刑務所に入り、その年の大統領選出馬断念を余儀なくされた。

 だが2019年6月にLJ特捜班スタッフの携帯電話の記録がハッカーに盗まれ漏洩した。それを基にした「ヴァザ・ジャット報道」では、デウタン氏自身が「ルーラ氏が黒幕説」に自信がなかったことや、テレビ報道での仮説を利用していたことなどが判明。ルーラ氏は同年10月に釈放。21年3月に最高裁命令で被選挙権も回復していた。
 この日の審理では報告官を務めたルイス・フェリペ・サロモン判事の「補償すべき」の主張に3人の判事が賛成を示し、マリア・イザベル・ガロッティ判事だけが反対した。補償額は7万5千レアルに固定されているが、サロモン判事は「10万レアルは超えるはず」との見解を示している。デウタン氏には控訴の機会も与えられる。
 この結果を受け、ルーラ氏の弁護人のクリスチアーノ・ザニン氏は「デウタン氏は職権を乱用した」と改めて批判している。


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