《ブラジル》連邦検察庁が大統領を起訴=下議時代の幽霊職員疑惑で=ヴァルデリセ氏の証言に矛盾
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ボルソナロ大統領が下議時代に15年以上にわたり、地方のアサイー販売員の女性を職員として雇用し続けていた件で、連邦検察庁が大統領と女性を起訴した。大統領とこの女性の見解が喰い違う点も問題視されている。24日付現地紙が報じている。
ヴァルデリセ・サントス・ダ・コンセイソン氏(通称ヴァル・ド・アサイー)がボルソナロ氏の長年の幽霊職員だったことは、2018年1月にフォーリャ氏が報じた。
報道によれば、ヴァルデリセ氏はボルソナロ氏の別荘があるリオ州アングラ・ドス・レイス市ヴィラ・イストリカ・デ・マンブカーバ区で小さなアサイー販売店を営んでおり、ブラジリアで働いていた痕跡さえないのに、ボルソナロ氏の下院議員事務所の職員として登録されており、給与も支払われていたという。
ヴァルデリセ氏は、夫のエデニウソン・ノゲイラ氏がボルソナロ家の家庭内労働者だったことで、ボルソナロ氏との関係が生じた。
この件は、長男のフラヴィオ上議がリオ州議だった時のラシャジーニャ(給与のピンハネ)疑惑ほど騒がれずに来たが、今週に入り、連邦検察庁のジョアン・ガブリエル・モライス・デ・ケイロス検事による報告書が発表されたことで、改めて注目を浴びることになった。
同報告書によると、ヴァルデリス氏は2003~18年の15年間、下議事務所の職員として登録されていたが、連邦議会があるブラジリアに行ったことはなく、勤務時間中も地元でアサイーを売っていた。同氏が辞職したのは、ボルソナロ氏が大統領選キャンペーンで同件について指摘された直後の18年8月だ。
また、ヴァルデリセ氏が行った証言とボルソナロ氏の見解にも食い違いがあった。一つは彼女が「ボルソナロ氏とは直接言葉を交わす仲だった」と主張していることだ。ボルソナロ氏は彼女とは「側近を通じて話をしていた」と語っていた。
また、同氏は「ボルソナロ氏の職員をしていたことは近隣住民には内緒にしていた」と語っているが、ボルソナロ氏は当時、彼女を雇っていたのは「地元住民の意見を聞くため」としていた。マンブカーバはアングラ・ドス・レイス市の中心市街地から50キロも離れており、住民も300人ほどしかいない地区だ。
そうした状況から、連邦検察庁は、ボルソナロ氏がヴァルデリセ氏は週40時間以上働いていたと認め、給与を払い続けていたのは極めて不自然として二人を起訴。不当に受け取った金の返却も求めた。連邦直轄区第6法廷は21日、二人に30日間の期期限付きで釈明するよう命じている。
連邦検察庁は、下議職員時代のヴァルデリセ氏が給与の83・77%(時には95%)を現金で引き出していたことも不審視している。同氏の給与は18年時点で1416・33レアルだった。
ボルソナロ氏は24日、ヴァルデリセ氏はブラジリアに来たことがないが、地元に職員を置くのは普通に行われていることで、就任は委任状の形で行われたとし、雇用契約は合法だと主張した。