《ブラジル》イースター=チョコ製卵が40%値上がり=米国から注文が来る店出現?

今年のイースター(復活祭、ポルトガル語ではパスコア)は4月17日で、スーパーの店頭などではチョコレート製の卵が所狭しと並べられている。サンパウロ州スーパーマーケット協会(Apas)によると、イースターのチョコ卵は最大で40%も値上がりしていると3月25日付アジェンシア・ブラジルなどが報じた。
イースター関連の商品はチョコ製の卵だけでなく、乾燥ダラ、ワイン、魚類などに至るまでがインフレ高騰の影響を受けている。
チョコ製卵の場合、製造会社や物流部門での経費増を吸収するための大量購入などができる店だと、品数や銘柄、価格にも変化をつけられる。だが、失業率が回復しても所得は低下という現状では、従来の大きさの卵は買えない人も多く、小さめの品を選ぶ人や、板チョコやボンボンで代用するという人がこれまで以上に増えている
このような動きを受け、スーパーなどでも、大き目の卵の売り場を縮小し、小さめで庶民の手が届きやすい価格の卵のコーナーを拡大する、板チョコやボンボンを近くに置いて選択肢を増やすといった工夫をしているようだ。
他方、どこの店でも買えるイースターエッグでは飽き足らない人が探す手の込んだ商品は、高級品志向の顧客を中心に売れ行きが良い。
その一つは、ロンドニア州ポルト・ヴェーリョ市の菓子店が作っているスプーンで食べるタイプのイースターエッグだ。
このイースターエッグは「フレイクス・ブラジル」という店の商品で、半分に割った卵を模った容器にたっぷりのチョコレートを入れた上、カラフルなチョコスプレーをのせた高級品だ。
同店はインスタグラム上でこの商品を紹介するビデオを流していたが、それを見て感激した国際的なポップ歌手のブリトニー・スピアーズが3月29日に自分自身のSNSのアカウントでこのビデオを拡散。翌日にはビデオの視聴回数が500万回を超えたという。
これによって、同店の引き合いは一気に増え、米国からの注文まで飛び込み始めたという。
ブリトニーの投稿以来増えたのはイースターエッグに関する問い合わせだけではなく、SNSの一つだけでフォロワーが61万5千人を超えるほどのフィーバーに。同店のSNSではケーキやパイなどの商品を作る場面も紹介しており、オレオと呼ばれるビスケットを使い、チョコレートでカバーしたケーキを作る場面を撮ったビデオは視聴回数が700万回を突破したという。
ビデオが好評なのを受け、店主のレオナルド・ボルジェス氏は、お菓子の作り方を教える講座を開設するつもりだ。