《ブラジル》3月に工業生産が増加=消費減少への懸念広がる

全国工業連合(CNI)が19日、3月の工業生産が増加したと発表したと同日付現地サイトが報じた。
3月の工業生産の状況を示す指数は54・4ポイント(P)で、生産増が明らかになった。この指数は昨年12月以降、生産増と生産減の境界の50Pを切っていた。
第1四半期の工業生産は例年やや減速気味だが、今年の3月は2月の47・9Pから54・4Pに6・5Pも上昇した。過去の3月の平均値は51Pだから、今年は生産活動が例年以上に強い回復を示したといえる。
他方、工業界の雇用を示す指数は50・1Pで、昨年3月と同じ値だった。2月は49・2Pだったから現状維持に近い。
施設稼働率は69%で、2月比で1%P上昇。3月の平均値は2%P上回った。施設稼働率は1月以降、徐々に上昇している。
工業界が直面している問題については、58・8%の企業家が原材料の不足またはコスト高を最大の懸念事項として挙げたという。
この項目は7四半期連続で最大の懸念事項となっているが、原材料の不足やコスト高を最大の懸念事項とした企業家の比率は前四半期よりも1・8%P、昨年同期比では8・4%P低下し、比重が下がってきている。
2番目に大きな懸念事項は33・4%が挙げた税の重さで、3番目は消費減少の25・5%だ。消費減少は昨年第2四半期も19・4%で、現在も決して高率ではないが、工業生産が増えても消費が減れば生産調整が行われる可能性も生じる。
また、金利上昇を懸念する企業家は前期の14・2%から20・8%に増加。輸送(ロジスティクス)への懸念も3期連続で増え、11・8%が13・8%に上昇した。