《ブラジル》対面式でアグリショー開催=農業生産支援計画発表は?=大統領は政治的発言に終始

新型コロナのパンデミックで2年間見送られていた対面式のアグリショーがサンパウロ州内陸部リベイロン・プレットで25日から始まったが、農業生産支援計画の発表は先送りされたと25、26日付現地紙、サイトが報じた。
アグリショーはアグリビジネスの最重要行事の一つで、今年は人出とビジネス両面で過去の記録を更新する見込みだ。今回の開会式にはボルソナロ大統領やマルコス・モンテス農務相も出席した。
コモディティ価格の国際的な高騰を受け、アグロビジネスが好調な事から需要が高まっている農機具は、2020年17%、昨年42%と販売増が続いている。ブラジル機械・設備工業協会(Abimaq)は今年も5%の需要増を見込んでいる。
アグリショーのフランシスコ・マトゥロ会長は、農機具が値上がりしている中で2021/22農年の融資凍結や経済基本金利引き上げが起きているが、農協関連の融資などの代替案があり、農機具販売は伸びると期待。2022/23農年の農業生産支援計画の資金で、小中規模の農家でも農機具の買い替えや新規購入を行う事が可能とも考えている。
だが、農業関連融資に低利息を保証する2022/23農年の農業生産支援計画は依然として計画の域を出ておらず、詳細発表などは見送られた。
農業関係者は、先週起きた社会経済開発銀行(BNDES)による家庭農強化のための国家計画向け融資の停止に代わる支援計画の発表を心待ちしていたが、サンタンデール銀行のカルロス・アギアル氏は、22/23農年の生産支援計画の詳細発表は早くても5月末、公務員ストが続けば6月末と見ている。
ただ、同計画による資金は農業関連の総資金額とされる300億レアルの5分の1にあたる60億レアルで、銀行側は同計画に頼らずにアグロビジネスの話を進める意向だ。
なお、ボルソナロ大統領は開会式の演説で連邦政府は肥料確保のために努めていると強調し、ウクライナ侵攻直前のロシアを訪問してプーチン大統領と会談した事で、今も同国からの肥料を受け取れていると自画自賛。さらに、ダニエル・シルヴェイラ下議に対する恩赦は正当な判断と力説するなど政治的な発言に終始した。