《ブラジル》ポウパンサの出超傾向続く=3月の月間引出額は新記録

中銀職員のストで中断していたポウパンサ(貯蓄預金)の入出金状況の発表が再開し、出超傾向が続いている事が明らかになったと25日付現地サイトが報じた。
今回の発表は中銀職員のスト中断を受けて実現したもので、1月1日から4月14日までのポウパンサは462・9億レアルの出超だった。
中銀によると、3月の引出額は預入額を153・6億レアル上回り、1995年のポウパンサ開設以来、最大の出超月額となった。4月最初の2週間は59・2億レアルの出超だったという。
年のはじめは種々の税金やクリスマスの買い物の支払い、新学期の準備などが重なるため、従来から出超となる傾向があったが、年頭の出超傾向は年々顕著になっている。
2021年のポウパンサは355億レアルの出超で、2015年の535・7億レアルや2016年の407億レアルに次ぐ高額出超年となっていた。
15~16年は景気後退(リセッション)で苦しんだ時期だが、21年はコロナ禍による失業率の高止まりと所得減少、緊急支援金打ち切り、高インフレなどで、負債を抱える家庭が増え、出超傾向が強まった。
今年はまだ、例年起きていた年頭の出超傾向で終わるか否かを判断する事が難しいが、現在のポウパンサの利率はインフレ率以下であるため、利率のよいファンドなどに乗り換える人も増えている。
ポウパンサの利率は経済基本金利(Selic)が8・5%以下だとSelicの70%、8・5%超だと参考金利(TR)プラス6・17%だ。3月までの12カ月間の利率は4・34%で、この間の広範囲消費者物価指数(IPCA)の11・3%を大幅に下回っている。