《ブラジル》3月の雇用増は13・6万人=今年の最少、雇用が減速?
労働社会保障省が28日、全就労・失業者台帳(Caged)によると、3月は正規雇用者数が13万6189人増えたと発表したと同日付現地サイトが報じた。3月末現在の正規雇用者は4129万人、2月末現在は4115万人だった。
3月の数字は市場が期待していた数値以下で、新型コロナの感染ピーク時だった昨年3月の15万3431人も下回った。コロナ禍が始まった直後の2020年3月は正規雇用者が29万5千人余り減少していた。
労働社会保障省によると、1~3月(第1四半期)の正規雇用者は61万5千人余り増えた。この数も、昨年同期の80万5千人余りより減っている。
同省はこれらの数字から、3月の雇用増はコロナ禍で雇用が伸び悩んだ時期よりも少ないとの見解を示した。
同省労働局のルイス・フェリッペ・オリヴェイラ局長は、3月の雇用増減速は、時短・減給や一時帰休などの雇用維持計画が昨年8月で終了した事などを反映したものだとした。
また、雇用状況の登録や職業判別、研究を監督しているフェリッペ・パテオ氏は、新型コロナの感染拡大が落ち着き始めて雇用が増え、国内総生産(GDP)も4%の成長を記録した昨年の実績を上回る成長率を記録するのは困難との表現で、雇用増が減速化している現状を説明した。
今年のGDP成長率は0・6%前後と見られており、昨年のようなペースでの雇用増は起こりにくい。
3月の正規雇用は農業以外の4部門で増えたが、サービス業が11万人を超えた一方、工業1万5260人、建設業2万5059人に商業352人と、小幅な伸びに終わった。