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《ブラジル》ボルソナロ=ガス輸送網建設で方針変更=セントロンとの関係深化で=法案否決なら暫定令発行?

2022年5月13日

天然ガスの輸送管(Divulgação)
天然ガスの輸送管(Divulgação)

 ボルソナロ政権に中道政党グループのセントロンが加わり、大統領自身もセントロンに移籍する中、ブラジルを縦断する天然ガスの輸送管建設プロジェクトに対する現政権の態度が変わり、セントロンが提出した法案が否決された場合は暫定令を出す事も考えていると11日付伯字紙、サイトが報じた。
 ブラジルを縦断する天然ガス輸送管(パイプライン)建設計画は総額1千億レアルに上る大規模プロジェクトで、セントロンが議会での承認を目指して政局調整中だ。同様の法案は以前、「民間投資を促進すべきインフラ部門への大型公共投資で憲法違反」とされ、大統領拒否権の対象となった。だが、大統領や連邦政府とセントロンとの関係が深まる中で方針が変わっている。
 ボルソナロ氏は2020年9月、天然ガスの輸送管建設に公共資金の調達を規定した修正案に拒否権を行使。その際、この提案は憲法に反し、支出の増加を招くとして、拒否権行使を正当化した。
 同時点では、岩塩層下の原油開発で得た社会基金の20%を輸送管網建設に回す事が提案されていたが、岩塩層下の社会基金の20%は教育や保健衛生に使用するよう定められているからだ。
 だが、官房長官にセントロンのノゲイラ氏が就任したあたりから同グループの影響力が増し、昨年承認されたエレトロブラス民営関連法案は、天然ガスによる火力発電で8千メガワットの発電を行うという、原案とは無縁の修正動議が加えられた上で裁可された。
 これは、天然ガスを使う発電所にガスを送るための輸送管網がなくては実現不能だ。言い換えれば、この種の発電所向けの輸送管網建設を大統領は間接的に認めた事になる。
 これを裏付けるかの動きは約2週間前の鉱山動力省と経済省との会合だ。この会合の参加者は連邦政府がガス輸送管網の建設を支援する事は確実との感触を得ていた。だが経済省は、岩塩層下の油田開発による社会基金からの輸送網構築に資金を振り向ける事に難色を示していた。
 11日の報道では、議会ではセントロンが2021年に提出した法案の審議が前進中で、議会が承認しなかった場合は、連邦政府が暫定令を出す事も考えているとある。
 この場合、輸送網建設資金には岩塩層下の社会基金ではなく、岩塩層下の油田開発に関する契約担当公社のプレ・サル・ペトロレオ(PPSA)の資金を振り向ける事になる。PPSAは既に、同社が得た収益は国庫に入るが、その用途は管轄外との見解を示し、国庫に入った1千億レアルを輸送管網建設に回す事が了承済みである可能性を暗に示した。
 11日付連邦官報で公表された鉱山動力相交代は燃料価格の問題が理由と見られていたが、ガス輸送管網建設計画にベント・アルブケルケ氏が色よい返事をしなかった事も原因との報道もある。
 アドルフォ・サクシダ新鉱動相は11日、ペトロブラスとPPSSの民営化を検討すると発言。12日にはゲデス経済相に両公社の民営化を検討し、一刻も早く大統領令を出せるよう要請。経済相も早期検討を約束した。


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