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《ブラジル》燃料費問題=ICMS一律化で予備判決=不服とする知事達が抗告へ=まだ続くPB総裁への圧力

2022年5月17日

ICMSでの争いの場にもなった最高裁(Marcello Casal Jr./Agencia Brasil)
ICMSでの争いの場にもなった最高裁(Marcello Casal Jr./Agencia Brasil)

 【既報関連】アンドレ・メンドンサ最高裁判事が13日、ディーゼル油の商品流通サービス税(ICMS)に関する国家財政政策審議会(Confaz)の判断を差し止める予備判決を出した。選挙年のインフレ高進を嫌う大統領によるペトロブラス(PB)総裁への圧力も続いていると13~16日付現地紙、サイトが報じた。
 今回の予備判決は、3月末にConfazが決めた、ディーゼル油へのICMSを1・006レアル/リットルとするという判断を差し止め、ICMS課税率を一律にする法案に沿わせるものだ。
 同法案は既に裁可済みで、ICMSを過去60カ月間の平均値で一律化する事を定めている。だが、Confazは定額化したICMSに割引を認め、現行課税率を実質的に維持できるようにした。
 連邦政府は12日にこの取り決め差し止めを要請。担当はメンドンサ氏となり、翌日に政府の意向に沿った予備判決が出た。予備判決は即効性があるが、最終判断は大法廷で決まる。Confazは既に、同件で抗告する事を決めている。
 ただ、ICMS一律化が燃料費高騰を防ぐかは不確かで、国家原油庁(ANP)の調査でも、13日はディーゼル油の消費者価格が最高値を更新した。
 ディーゼル油は10日に製油所出口価格が約9%調整され、取引量最多で、ディーゼル油とバイオディーゼルが9対1で配合されるS10という商品は全国平均が6・77レアル/リットル、最高値は8・38レアル/リットルに達した。
 ジョゼ・マウロ・コエーリョPB新総裁は原油の国際価格と為替の動向に基づく価格政策の擁護者だが、ベント・アルブケルケ前鉱山動力相更迭で政治的な後ろ盾を失った。
 ディーゼル油値上げ直後に就任したアドルフォ・サクシダ新鉱動相は大統領の旧友で、燃料費値上げでいらだつ大統領の意向で、輸出用原油には適用しないが製油所用には適用される送料と保険をPBの原油販売価格から除く事や民営化を模索中で、PB総裁への圧力は高まっている。
 なお、ブラジル自動車運転手協会(Abrava)会長のワラセ・ランディン氏(通称ショロン)は16日、経済的な現状から、トラックストは困難との見解を表明した。


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