《ブラジル》経済省が成長予測を引き上げる=インフレ率は下方修正=ICMS引き下げなど反映

経済省が14日、今年の国内総生産(GDP)の成長予測を1・5%から2%に引き上げ、広範囲消費者物価指数(IPCA)の予測は7・9%から7・2%に引き下げたと14、15日付現地紙、サイトが報じた。
GDPの成長予測上昇は、失業率の低下や14日発表の5月の中銀の経済活動指数(IBC―Br)が前月比で0・11%落ちたものの、昨年同月比で3・74%、12カ月の累積で2・66%上昇した事、18日発表のジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)の経済活動指数も前月比で0・8%落ちたが、昨年同月比は4・7%増、3~5月も前期比で5・8%成長した事などで説明できる。
第3四半期のGDPは前期比で0・7%成長する見込みだ。農業は第3四半期に前期比で2%、工業とサービス業は0・4%成長すると見られている。
同省はウクライナ危機などの国外の経済リスクを考慮して、先進国や新興国の成長率も見直したが、世界的な経済後退(リセッション)懸念で原油価格が100ドルを割る状況が起きる中、今年のGDP予測を引き上げただけでなく、来年度のGDPも2・5%成長との予測を維持した。
同省によると、GDP成長率やインフレ予測の見直しは、商品流通サービス税(ICMS)の上限設定や憲法補則法案(PEC)カミカゼによる社会保障費引き上げなどの結果を考慮したという。
ICMS引き下げは燃料費や電気代、通信費の引き下げも招く。国家電力庁(Aneel)は14日、電気代は平均で12%下がるとの見通しを語った。
経済省によると、GDP見直しは上半期の経済活動が良好だった故でもあり、5月以降の経済活動が予想を超えたため、来年度の予想を維持したという。その意味ではIBC―BrやFGVの指数の低下は要観察だ。
18日発表の経済動向予想調査「フォーカス」では、今年のインフレ予測は7・67%が7・54%に低下したが、来年の値は5・09%が5・20%に上昇。GDP成長予測は1・59%が1・75%となったが、来年は0・50%のままだ。今回は、今年の経済基本金利(Selic)は13・75%のままだが、来年の予想が10・75%となったのが注目される。