《ブラジル》ガソリン代が6・5%低下=ICMSの引き下げ効果出る=来年以降のインフレ懸念残る

【既報関連】サンパウロ州などが18日、エタノールへの商品流通サービス税(ICMS)を引き下げた。また、一連の政策で燃料価格などが下がり始めていると18~19日付伯字紙、サイトが報じた。
燃料価格や電気代は昨年来のインフレ圧力だったが、ICMSの上限設定や連邦税ゼロ化で、電気代やガソリン、エタノールは値下がりしている。国家原油庁発表のガソリン価格は10~16日に6・5%値下がりし、平均6・07レアル/リットルとなった。
また、ゴイアス州での通信費へのICMSは29%が17%、低所得家庭用の電気代では25%が17%、一般家庭用の電気代では29%が17%に引き下げられた。
ジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)は18日、家庭用電力の2・29%値下がりで7月第2週の週間消費者物価指数(IPC―S)は0・24%増に止まったと発表した。
これに、14日制定の憲法補則法案(PEC)カミカゼによるエタノールへのICMS引き下げが加われば燃料価格はさらに低下する。18日にICMSを下げた州はサンパウロ州、ミナス、パラナ、ゴイアス、リオ、サンタカタリーナの6州だ。
サンパウロ州の課税率は13・3%が9・57%となり、0・17レアル/リットル下がる見込みだ。パラナ州は18%が12%、ミナス州では16%が9%となった。
同PECではバイオ燃料への税金を引き下げた州への国からの補償資金を増額。連邦議会は14日にICMS引き下げ法案にボルソナロ大統領が行使した拒否権を否決し、ICMS引き下げによる税収減を国が補償する項目を復活させている。
FGVによると、燃料費などは値下がりしたが、食品が値上がりしたとあるが、ディーゼル油の価格がガソリンやエタノールほど下がらないのも問題だ。ロシアとの間のディーゼル油輸入交渉は支払い条件故に実現困難との声があるし、カーボンクレジット増額や期間延長によるディーゼル油価格低下の試みも結果は出ていない。
PECの適用期間は年内のみで、税収減に伴う行政運営や財政面への影響、燃料価格などが来年以降上昇する可能性などへの懸念が拡大。来年のインフレ率や経済基本金利の予測引き上げは種々の懸念を反映したものだ。
ペトロブラスは19日、ガソリンの製油所出口価格を4・06レから3・36レに調整すると発表した。