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《ブラジル》マラニョン州でセントロンと繋がる闇金融摘発=企業家を贈収賄疑惑で逮捕=政治家と癒着? 怪しい割当

2022年7月22日

捜査で押収された現金(Twitter)
捜査で押収された現金(Twitter)

 20日、マラニョン州で連邦警察による汚職捜査が行われ、企業家が逮捕された上、現金130万レアルが押収された。この捜査はサンフランシスコ渓谷開発公社(Codevasf)が行った不正入札と横領疑惑に関するもので、選挙年にボルソナロ政権が行ったバラマキに端を発したことが疑われている。20、21日付現地紙、サイトが報じている。
 「オドアルコ作戦」と名付けられた捜査は20日の午前中、マラニョン州都サンルイスなど、同州内5市を対象に行われた。この捜査により、エドゥアルド・ジョゼ・バロス・コスタ容疑者が逮捕され、130万レアルの現金や、資金洗浄が疑われる高級ブランドの財布や時計などが押収された。
 同容疑者は企業「コンストゥルセルヴィセ」の影の共同経営者とされ、地元の政治家や企業家の闇金融家としての役割を担っていたと見られている。コンストゥルセルヴィセはCovadesfからの資金割当が全体で2番目に多い企業で、2019年のボルソナロ政権発足後、業績が急速に伸びた。同社はサンルイスから300キロ程のコドーという人口12万人の市に拠点を置き、2019年以降、連邦政府から1億4千万レアルの資金割当を受けている。
 コスタ容疑者はこれまでもマラニョン州の検察局や市警から目をつけられており、2009〜12年に州内約40市での巨大な贈収賄工作に関与した疑いを持たれている。
 今回の捜査でも、同氏は三つの納税者番号(CPF)、二つの偽名、二つの選挙者登録を使用して犯罪行為を行っていたと報じられている。また、本人だけでなく、その家族も同様の偽証による犯罪を行っているという。
 Codevasfは地域開発省の傘下にあるが、ボルソナロ大統領は中道勢力のセントロンを自らの支持母体につけた際、地域開発省の主導権をセントロンに与えている。今回の捜査ではCodevasfの運営のあり方にも疑問が持たれている。
 Codevasfに関する疑惑は、選挙年である今年に入って特に顕著になった。今年はじめにCodevasfに割り当てる予定だった予算は6億レアルに過ぎなかったが、現在の同公社への予算は倍額の12億レアルに膨らんでいる。
 この背景には、連邦会計検査院(TCU)が資金援助の基準を緩くしたことがあげられている。TCUは昨年まで、工事対象となる場所を具体的に指定することを義務付けていたが、現在はその義務は解除されている。
 だが、Codevasfに本来の業務とは関係のない道路舗装などの業務が見受けられるようになったことから、TCUは今年5月に、いくつかの事業の差し止めを命じた。Codevasfの不正疑惑がささやかれるようになったのはこの時期からだが、TCUはこの命令を6月に取り下げている。
 ボルソナロ大統領はこの日、メルコスル首脳会議への参加とリオ市で行う予定だったモトシアッタの開催中止を発表したが、一部ではこのスキャンダルとの関係を怪しむ声も出ている。


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