《ブラジル》ブルマジーニョ市に巨大絵=ダム決壊事故の犠牲者偲び

ミナス州ブルマジーニョ市で24日、2019年1月25日に起きたVale社のコレゴ・デ・フェイジョン鉱山での鉱滓ダム決壊事故の犠牲者を偲ぶ巨大画が公開されたと同日付エスタード・デ・ミナス紙電子版などが報じた。
この絵画はフランス人アーティストのサイープ(Saype)ことギョウーム・ルグロ氏(33)によるもので、同氏が世界中で展開中の「ビヨンド・ウオールズ(Beyond Walls、壁を越えて)」プロジェクトの第16件目の作品だ。ブラジルでは20日にリオ市コパカバーナ海岸で披露された巨大画に次ぐ第2作となる。
ブルマジーニョでの作品はコパカバーナと同様、誰かが差し伸べた手(下腕部)を別の人が握り返しているもので、コミュニティ内の連帯や世界との繋がりなどを示している。
鉱滓ダム決壊から3年半となる25日を前に公開された絵は、決壊事故発生後、被災者の捜索や救済のために使われたヘリコプターの発着場として利用されたコレド・ド・フェイジョン地区のサッカー場に描かれた。
サイープ氏は鉱業の影響と悲劇について国内外に影響を生み出す事を目指しており、24日に、「鉱山とその原材料は必要だが、私の目的は鉱業部門の社会環境的側面を可視化し、業界が声明と環境を尊重する安全な労働条件を補償する必要があるという事を強調する事だ」と語った。
ブルマジーニョ・コレゴ・フェイジョン鉱山鉱滓ダム決壊事故被災者ならびに遺族協会(Avabrum)のアレッシャンドレ・アンドラーデ会長は、同市での事故と結び付けられた作品を前に、「サイープ氏は様々な形でインパクトを与える絵画を発展させてきた。その巨大さ、環境を損なわず、自然分解して消滅する材料の使用はそれだけで十分にインパクトがある。彼の絵は国や社会、ダム決壊事故後の戦いに関するシンボルとして記憶に残る」と語った。
また「272人を生き埋めにし、その生命を奪った事故の事を忘れてはならない。国や企業はこのような事故を再び繰り返さないよう、必要な措置を採るべきだ。サイープ氏は自身のプロジェクトにブルマジーニョを取り込む事で、鉱滓ダム決壊事故を世界的な関心事とする事を可能とした」とも述べた。
壁を越えてプロジェクトは2019年に始まり、2023年までに全世界30市で展開される予定だ。同氏の作品は常に、社会・環境に根ざしている。
同氏は「我々が直面している問題は皆が力を合わせてこそ乗り越えられる。私はブルマジーニョから世界を結ぶ人の輪を創り出している。鉱滓ダム決壊事故に直面した人々が有望な未来を創り出す事は困難なはずだが、私はアーティストとして人々の声を増幅し、彼らの戦いを支援する事ができる」とも語っている。