《ブラジル》ペトロブラスが価格設定ガイドライン=新たに承認だが政策は不変

ペトロブラス社が27日、国内市場の燃料価格設定のためのガイドラインを承認したと発表したが、国際市場での原油価格と為替によって国内価格を決める価格政策は変わらないと同日付現地サイトが報じた。
有価証券取引委員会(CVM)に提出された声明によると、燃料価格設定のためのガイドラインは同社理事会が提出した第2四半期の決算報告に基づいて話し合われ、経営審議会と財政評議会の監督の下で実行される価格政策は現行のものを踏襲する事が確認されたという。
今回承認されたガイドラインでは、販売業者に売り渡す際の燃料価格の再調整の責任者として、同社の経営陣を維持する事も明記している。
この事は声明の中でも、製品価格調整の頻度や調整率、燃料価格その他の価格調整に関する政策を実行するための手順などは、現行通り、経営陣の責任下に置く事とするとの表現によって確認されている。
ペトロブラスはガイドナインの詳細についても説明しており、燃料価格決定のための政策は、石油の派生品市場(精製後のガソリンやディーゼル油など)や代替製品、及び輸入業者の業績を見極めて実行される必要があると強調した。
また、国内市場と国際市場との価格のバランスに加え、資産の最適化や健全な競争環境の維持に必要な燃料毎のシェアを確保する必要がある事も訴えた。
ペトロブラスの価格政策はテメル政権時代に導入されたもので、ボルソナロ大統領は燃料価格が調整されるたびに、インフレ圧力の筆頭として苦言を呈してきた。
ガソリンやディーゼル油、天然ガスの価格調整は、現政権下での頻繁な総裁交代劇の原因となっているが、歴代の総裁も健全な経営体質を保つためには価格政策の維持が必要である事を認めていた。専門家の間からも、価格政策変更ではなく、補助金支出による負担低減などが必要との声が以前から出ている。