site.title

サンパウロ市議会が平和式典開催=長崎、広島、沖縄犠牲者を追悼

2022年8月18日

記念プレートを授与された5人(中央)と、式典に出席した関係者
記念プレートを授与された5人(中央)と、式典に出席した関係者

 サンパウロ市議会による広島・長崎原爆犠牲者と沖縄戦犠牲者への慰霊平和式典が8日午前10時半から、同市議会8階貴賓室で開かれた。広島、長崎、沖縄の各県人会および日系団体関係者、サンパウロ州立職業学校のETECタカシ・モリタ学校生徒など約350人が出席。戦争による犠牲者を悼み、平和への思いを新たにした。
 式典進行は羽藤ジェオルジェ市議が担当。壇上には、ミルトン・アルベスサンパウロ市長代理、桑名良輔在聖総領事、石川レナトブラジル日本文化福祉協会長、市川利雄ブラジル日本都道府県人会連合会会長、吉広ロベルト貞夫ブラジル広島文化センター会長、高良律正沖縄県人会長、ETECタカシ・モリタ学校のアンドレ・ロペス・ロウラ代表ら来賓が並んだ。
 戦争犠牲者への1分間の黙とう、日伯両国歌斉唱に続いて、来賓たちがそれぞれ挨拶を行った。
 広島文化センターの吉広会長は、参加者の中で特に若い世代のETECタカシ・モリタ学校生徒達に向けて、「77年前の広島と長崎での悲劇を忘れてはいけない」と強調。原爆犠牲者の「被爆者」の存在について触れ、湯崎英彦広島県知事のメッセージとして来年5月に広島県で世界平和を願う主要国首脳会議(G7サミット)が実施されることを紹介した。
 高良沖縄県人会長は、第二次世界大戦中の1945年3月下旬から同6月下旬の間、同大戦における日本で唯一の地上戦の舞台となった沖縄で、約20万人もの犠牲者を出した「沖縄戦」の悲惨さを伝え、「二度とこのような戦争を起こしてはならない」と訴えた。
 羽藤市議は今回の平和式典について、「若い人たちに戦争の悲惨さと平和の大切さを知ってもらうことが目的」と語り、戦争被害を受けた澤岻安信(たくし・あんしん)さん(90、沖縄)、渡辺淳子さん(79、広島)、盆小原国彦さん(82、広島)、森田隆さん(98、広島(当日は欠席し、ETECタカシ・モリタ学校のロウラ代表が代理))、広島文化センターの吉広会長(74、2世)の5人に記念プレートを授与した。
 澤岻さんは沖縄戦で家族を殺され、宜野湾市伊佐浜の土地を米軍に強制接収されたことで、57年にブラジルに渡ってきた。「今の沖縄には『伊佐浜』という名前は、オニブスのポント(停留所)にしか残っておらず、もう昔のことは忘れたい。ブラジルに来て本当に良かった」と語り、悲惨だった当時を触れられたくない様子だった。


在日日系ブラジル人高校生の現状を訴える=映画「ムイトプラゼール」が公開前の記事 在日日系ブラジル人高校生の現状を訴える=映画「ムイトプラゼール」が公開アルジャー花祭り20日から=「七夕」悲恋物語を花で表現次の記事アルジャー花祭り20日から=「七夕」悲恋物語を花で表現
Loading...