《ブラジル》選挙高裁=名前だけの女性候補に警告=判明すれば連立名簿も無効に

アレシャンドレ・デ・モラエス選挙高裁長官が18日、第1回目となる全体審理で、10月の統一選に名前だけの女性候補を立てる事を認めた党は、甚大な損失を受ける事になると警告を発したと同日付オ・ヴァロール紙電子版などが報じた。
同長官はこの日、選挙高裁は、女性候補の割合を定めた規定を満たすために「ラランジャ」と呼ばれる、名前だけの女性候補を立てた事が判明した場合は、違法な申告を行ったと判断し、当該候補だけでなく、比例制で当選者が決まる職責にその候補と連立名簿(シャッパ)を組んで出馬した候補者全員の資格を無効化すると明言した。比例制で当選者が決まるのは下議、州議、連邦直轄区の区議と市議達だ。
同長官は、偽りの候補を立てた事による損失は比例制で当選者が決まる職責の候補者全員に及ぶ事と共に、女性候補が本当の候補者か、ラランジャかの判断は厳格に行う方針も明らかにした。
この発言は、2020年の地方選で名前だけの女性候補を立てた嫌疑の審理に際して行われた。この日の審理の対象となったのは、アラゴアス州ポルト・レアル・ド・コレジオ市の市議選に出馬した民主運動(MDB)の女性候補3人で、彼女達はラランジャだったから、3人への票を無効化するように求めた訴えが受け入れられた。
3人の内2人は1票ずつ、もう1人は5票しか得ていなかった上、その内の1人はやはり市議選に出馬していた父親に票を投じるよう、SNSで呼びかけていた。
選挙法では、各政党が擁立する候補者の少なくとも30%は女性でなければならないと定めており、選挙高裁は、この3人は数合わせのために出馬登録を行ったと判断した。