《ブラジル》大統領選世論調査=ルーラの一次選勝利が遠のく=シロとテベテが伸びる=テレビ放送の影響が如実に

ダッタフォーリャが1日に発表した大統領選の世論調査の結果によると、ルーラ氏(労働者党・PT)がやや後退したものの、ボルソナロ大統領(自由党・PL)の支持はあがらず、むしろ、シロ・ゴメス氏(民主労働党・PDT)とシモーネ・テベテ氏(民主運動・MDB)が支持をあげた。テレビ、ラジオのキャンペーンで、これまでは注目を浴びていなかった人たちがアピールした結果が出た。1、2日付伯字紙、サイトが報じている。
公開討論会後初めてのダッタフォーリャの調査は8月30日から9月1日に全国285市、5734人を対象に行われ、ルーラ氏の支持率は8月18日発表時より2%ポイント減の45%となった。
一方、ボルソナロ氏は32%のまま変わらず。逆に、3位のシロ氏が7%から9%、テベテ氏が2%から5%に支持を上げた。
これは8月22日から始まったグローボ局の候補者インタビューやバンデイランテス局での大統領候補者の討論会、選挙放送の影響を受けた結果と言えそうだ。討論会に出席したソラヤ・スロニッケ氏(ウニオン)とフェリペ・ダヴィラ氏(ノーヴォ)も、1%の支持を得ている。
これを見ると、ルーラ氏が若干減らしたのは、反ボルソナロで仕方なくルーラに入れると考えていた人の一部がシロ氏やテベテ氏に流れたからようだ。シロ氏とテベテ氏が伸びたことで、ルーラ氏の支持率は有効数の48%に落ち、一次投票での勝利が難しくなった。
ただし決選投票のシミュレーションでは53%対38%でルーラ氏がボルソナロ氏に勝つという結果が出た。ルーラ氏は1%減、ボルソナロ氏は1%増だったが、統計上の誤差は上下2%ポイントだから、誤差の範囲内だ。
また、南東部の国内3大州の知事選の調査結果も発表された。サンパウロ州ではルーラ氏の後継者のフェルナンド・ハダジ氏(PT)が1位を維持するも38%から35%に落ち、ボルソナロ氏の推すタルシジオ・デ・フレイタス氏(共和者・RP)が16%から21%、現職のロドリゴ・ガルシア氏(民主社会党・PSDB)が11%から15%に伸びた。
ここでも討論会や選挙放送の影響が出ているが、それでも、サンパウロ州民の92%はハダジ氏を知っていたのに対して、タルシジオ氏を知っていたのは50%で、ガルシア氏は49%だった。
リオ州ではボルソナロ氏の推す現職のクラウジオ・カストロ氏(PL)とルーラ氏の推すマルセロ・フレイショ氏(PSB)との一騎打ちが続いているが、カストロ氏が26%から31%、フレイショ氏が23%から26%でカストロ氏の伸びが上回った。
ミナス・ジェライス州では現職のロメウ・ゼマ氏(ノーヴォ)がアレッシャンドレ・カリル氏(社会民主党・PSD)を52%対22%で大きくリードしている。ボルソナロ氏のPL所属のカルロス・ヴィアーナ氏は4%で3位だった。
南東部でのルーラ氏の支持が44%から41%に落ちたことを反映して、同3州の知事選ではいずれもルーラ氏に厳しい結果となっている。